「一夜明けて何となく見えてきたよ」
「何が?」
「らんま1/2という作品はアニメでは、現在の萌えアニメの祖型と言えたのだ。だから、食い足りなくてイマイチなのだ」
「どういう風に?」
「たとえば、『らんま1/2 決戦桃幻郷! 花嫁を奪りもどせ!!』という映画だったと思うが、とても多くの美少女が水着で登場するのだが、最終的に印象が似通って印象が希薄化してしまう。カタログ的に好きな女の子が選べるが、選ぶための印象が希薄では意味が無い」
「難しいね」
「らんま1/2にある萌えの祖型は以下の通りだろう」
- 主人公は多くの相手から好かれるが、多数の相手から好かれる根拠が希薄
- ヒロインが多く印象が散漫になり、掘り下げも浅い
「なるほど」
「実は、らんまが好かれる理由も希薄なら。あかねが好かれる理由も希薄なのだ」
「ううむ」
「今回の実写ドラマではこれらの問題が綺麗さっぱり解決されているから、おそらく問題意識は共有されていたのだろう」
「どういうこと?」
- 敵対者は多いがヒロインは増えない (実質的に天道3姉妹のみ)
- メインヒロインを強化すると同時に、メインヒロインとの関係を強く描いている
「天道3姉妹といっても、かすみとなびきは恋愛の対象にならない高年齢層になり、ほとんどあかねに絞られる」
「それだけ?」
「そうじゃない」
「じゃあ何?」
「相手が1人なら好きになるのに理由はいらないんだ」
「は?」
「恋愛って言うのはそういうものだ」
「どういうこと?」
「さしたる根拠も無く、多くの女が1人の男を好きになるのは不自然だが、1対1なら誰と誰が根拠も無く恋愛関係になってもおかしくない」
「そうか。あかね1人が事実上のヒロインなら、あかねが好かれることに根拠は要らないわけだね」
「そうだ。でも、実写版のあかねはらんまも一目置く強さがあり、根拠が無いとも言えない」
「らんまが強すぎず、弱点もあり、あかねの精神的な強さとバランスしているわけだね」
「互いに支え合う必要がある関係に落とし込まれているので、カップルとしての関係が安定する。よくできたシナリオだ」
オマケ §
「基本的に馬鹿馬鹿しい話だから笑えるドラマになったのは正解」
「そうか」
「玄馬が格好良くいのだけど、その格好良さもギャグのネタになるのだから正解だろう」
「そもそも、笑える特撮が好きなのだよね」
「そうだ。その方が楽しくていいぞ」