「こういうページがあるのだが、自分が使ってるソフトが1つもリストにない」
「君はマイナー指向ってこと?」
「そんなことはない。どちらかといえば、寄らば大樹だぞ」
「あ。嘘だろ。だって、.Netって書いてあるぞ」
「それ何? .Netって何?」
「君が使ってる.NET Frameworkのことだろ?」
「そもそも、.NETというのはブランドの総称で.NET Frameworkとは1対1に対応しないよ。今ではあまり使ってないから対応するように見えるかも知れないけどね。それに、その場合でも全部大文字だよ。小文字混じりに.Netってなんだよ。人を馬鹿にしておちょくってるのか」
「じゃあ、この結果はどう解釈したらいいのさ」
「後半の説明にヒントがある」
「どういうこと?」
「裏から読めということだ」
「どういうこと?」
「以下の文章を見てみよう」
- ■開発には数多くのツールが必要 他の職業と比べて、開発者が必要とするツール類の数は非常に多い。開発者には、すべてのツールの管理が求められる。
- ■開発者は多くの時間を、ツールの連携・統合作業に費やしている ツール間の連携を取るのは困難な作業だ。
「これがどうしたの? 君も多くのソフトを使ってるじゃないか」
「厳密に言うと違う」
「どうして?」
「ツール間の連携を取るのは困難な作業だ、なんて思ったことは無いからさ」
「なぜ、君とこの記事は説明が違うんだい?」
「うん。そこだ」
「えっ?」
「この記事は、『人気の開発者向けツール』を実際にはランキングしていないと考えられる」
「じゃあ、何をランキングしてるというの?」
「普及させるために名前を叫ぶ声が大きいソフトのランキングさ」
「それじゃ人気ソフトのランキングでいいんだろ?」
「そうじゃない。人気ソフトには、誰が叫ばなくても普及するものと、叫ぶ必用があるソフトがある」
「何が違うの?」
「能書きほど優れていないソフトほど、叫ぶ必要がある」
「えっ?」
「だからさ。能書きほど優れていないってことは、他のソフトを併用して補う必要があるので、必用とするツールの数がぶくぶく膨れあがる。それらは出来が良いとは限らないので、連携・統合が困難になる」
「なるほど」
「たぶん、このランキングには本当に優秀なソフトほどリストに出てこない効能があると思うよ」
「本当に優秀なソフトを使ってる開発者は投票してないってこと?」
「たぶんな」
「どうして?」
「コードを書くのに忙しくて、投票なんてしてられないだろう。投票よりそっちの方が楽しいしな」
「君はどうなんだよ」
「おいらもそうさ。こんなところで喋っているより、コードを書きたいよ」
「じゃあ、書けよ」
「コードを書く以外の仕事多くてな。腐ってるだけだ」
「ぎゃふん」