「妖怪人間ベムがあまりに話題にならないと思ったら家政婦のミタという怪物番組が話題をさらっていたらしい」
「まさか」
「日本テレビではミタの情報ばかり流れている」
「同じ日テレとしては辛いね」
「しかし、実際にミタの最終回を見たら、ミタもやはり妖怪人間だった。しかも、素顔で怖い」
「えー」
「しかし、正義の血が流れているのだ」
「なんですと。構造がまるかぶりじゃないか」
「要するにミタとは、こういう存在だ」
それはいつ産まれたのか誰も知らない (本人が語るまでは)
暗く、音の無い世界で、一つの家族が減っていき、1つの生き物が産まれた。
彼女はもちろん、表情豊かでは無い。また笑いもしない。
だが、あの冷たい身体には正義の血が流れているのだ。
「はやく死体になりたい!」
その生き物は、死体になれなかった妖怪人間である!
「結局さ。映画だけ見たけど怪物くんも面白かったし、テレビのベムも面白かったけど、怪物ランドのご一行よりも、ベムベラベロよりも、ミタの方が怖かった。何しろ、特殊メイク無しで怖い」
「ひぇ~」
「しかも、正義のはずの妖怪人間が他人の首を絞めるというベムそっくりなシーンが存在する」
「なんと」
「話題を持って行かれる理由もよく分かった。素顔でやるミタの方が怖い」
逆襲方法を考えてみよう §
「しかし、ベムファンとしては面白くないので、逆襲方法を考えてみた」
「どうするんだ?」
「ここはベラに一肌脱いで貰って、家政婦をやってもうら」
「家政婦のベラ!」
「家政婦のベラならこんな凄いことができるぞ」
- その辺の食べられる草を取ってきて並べて「食事だよ、はやくお食べ」と言える
- ギョウザが上手く作れない。(具を入れすぎる)
- 感情が高ぶると変身できる (でも家事の効率は上がらない)
- 遠くのスーパーの特売も見落とさない超視覚があるが、遠くのスーパーより近くの食べられる草を探すのに使う
「な。凄いだろ?」
「凄いけど、家政婦としてはどこも凄くねえ!」
オマケ §
「TBSの南極大陸もTBSが熱心に作ったのにミタの怪物ぶりに話題性で食われたな」
「子供と動物には勝てないはずじゃないのか? 南極大陸はイヌの話だろ?」
「だからさ。ミタは怪物であって、むしろ動物の一種なんだよ」
「えー」
「常に予測不能の行動を起こすという意味では、ミタ=怪物=動物なんだよ」
「動物の個性でイヌはミタに負けたのか」
そういう意味では §
「そういう意味では、この2011年の10月~12月期は、大波乱の怪物大戦の時期だったと記憶できるだろう」
「怪物大戦って……」
「1974年の10月には、アルプスの少女ハイジ、宇宙戦艦ヤマト、猿の軍団が同じ時間に放送されるという珍事があった。今回はさすがに放送時間はかぶっていないが、話題性を食い合ったという意味では似たようなものだろう。当時、怪物ハイジが当初は話題を独占していたが、あとからヤマトブームが起きた。ヤマトはハイジの被害者といえるが、猿の軍団は更に両者の被害者だ」
「そうか」
「今回は猿ではなく南極大陸のイヌが貧乏くじを引いたのかも知れない」
「じゃあ、ミタがハイジか?」
「笑わない無表情なアーデルハイドがミタっぽいじゃないか」
「誰だよアーデルハイドって」