2012年01月15日
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ヤマト冬の時代を定義してみる

Written By: トーノZERO連絡先

「ヤマト冬の時代は2回あったと考えられる」

「2回?」

「それをここで定義してみる」

「名前はあるの?」

「ここでは便宜上以下の表記を用いる」

  • 第1期
  • 第2期

「他に前提は?」

「1974年10月より手前は扱わない」

「放送開始前はいかに知名度や人気が無くても当たり前。冬か夏かを論じても意味が無いってことだね」

「そうだ」

第1期 §

「第1期は、テレビシリーズ放送開始から、最初の劇場版がブームであると報道されるまでの期間としよう」

「その間は本当に苦労したってことだね」

「そうだ。何が問題かって、虚像で叩かれる」

「虚像とは?」

「実際には見ていないのに、漠然としたイメージで幼稚っぽいと叩かれる」

「そんなに?」

「自分の実体験ではそうだ。ヤマトの内容の前に、アニメを見ているという点で幼稚であるとされる。たかが小学4年生がアニメは幼稚であると叩くわけだ」

「彼らにとっては何が幼稚では無かったの?」

「プロ野球だろうな」

「その後のヤマトブームの担い手が大学生ぐらいだとすると、遙かに年上だよね」

「ヤマトブームになった頃は、連中も手のひらを返したぞ。当時もたかが中学生なんだが、お兄さんお姉さんの文化だから憧れるのだろう。ビートルズに憧れるのと似たような構造だ」

「そうか」

「そういう時代だから情報入手もえらく難しい」

「なるほど」

「放送を見るのが最も的確なのだが、放送中ですら週に1回。しかし、録画はできない。ビデオデッキがまだ普及していない時代だ。カセットテープで音だけ記録するのがメインになる」

「他には?」

「ヤマトカードがあったが、近所では売ってなかった。しかも、『真田佐助』って書いてあるし、後に反乱を起こすとまで書いてあった。情報として当てにならない」

「他には?」

「石津嵐版の小説のハードカバーはあったけど、中身がまるで別物」

「わはははは」

「というわけで、放送フィルム至上主義が強く染みついた」

「設定資料とかは?」

「最初のロマンアルバムまでおあずけ」

「サントラのLPとかは?」

「それはかなり後になるまでおあずけ。何しろ、交響組曲も新録音だからね」

第2期 §

「第2期は、完結編35mm版上映終了後から、SPACE BATTLESHIP ヤマト上映までの期間としよう」

「その間に、70mm版、2520、復活編があるけど?」

「70mm版は小規模上映しかできなかった。2520は途中で消えた。復活編は多くのファンすら気づかなかった」

「えー」

「結局さ。完結編35mm版上映まではまだしも注目が少しはあったのだ。しかし、その後は酷い」

「作品のパワー不足?」

「実際、もう1回ヤマトを見たいと思わせるだけのパワーが永遠にや完結編には欠けていたような気もする」

「だから、再度来ても客が動かないわけだね」

「ただ、その点は2520で著しく改善されていたと思う。ともかく、2520の第1巻を見た時は、あまりにもヤマトらしくない面白さでこっちが焦るほどだった。凄く面白いのだが、そもそも『ヤマトはもう分かっている』と思い込んでいる層に対する突破貫通力は無かった」

「それだけ?」

「2520も少し迷走したような部分があって、そこは惜しかった」

「復活編も冬の時代なの?」

「そうだな。そう分類していいと思う」

「難儀な話だね」

「そうだ。西崎さんは逮捕されちゃうし、松本先生はぼけるし、裁判あるし、ヤマトの企画はどれもこれも成立しないし、PS2のミルは可愛いんだぜと言ってもそもそも何を言っているのかすら理解されないし、ヤマトは松本アニメでちらりと出るだけのちょい役に堕落するし、結局自分の中に自分の確固たるヤマトを持った者だけがファンであり続けることができた時代だろうな」

「他人がどう言おうと自分のヤマトが自分の中にある人だけってことだね」

「これはかなりハードルが高い。多感な時期にヤマトが刷り込まれた世代じゃないと無理かもしれない」

つまり第2期を突破する起爆剤とは §

「そこから言うとね。実は第2期を突破する貫通力になったのは、第1期のヤマトファンというよりも、弟世代だと思う」

「弟世代とは?」

「第1期ブームの推進力となった世代よりも少し下。といっても、既に中年のおっさんおばさん世代だけどね」

「たとえば?」

「おいらも該当するだろうが、おそらく木村拓哉さんとかも該当してしまう」

「なるほど。ヤマトファンだけど弟世代のヤマトファンってことだね」

「自分も含めた彼らは、ヤマトブームを自分の手で推進していないという意味で、何かをなす前にブームが終わってしまった感があるのだろう」

「食い足りないわけだね」

「おそらく満腹した兄世代のヤマトファンとは違う」

「それで?」

「だから、彼らは足りない空腹を補うために第2期ヤマトブームを必用とした」

「なるほど。それが起爆剤なのだね」

「でも、この先は分からない。後はもう、ヤマトでかつて満腹した記憶を持った兄世代が戻ってくるかも知れないし、ヤマトで満腹できる可能性を感じた孫世代が来るかも知れない」

「孫世代かよ」

「実際、子供がSPACE BATTLESHIP ヤマト見てる事例もあるしな。他に類似品が滅多にない以上、インパクトはあるかも知れない」

オマケ §

「実際、子供がSPACE BATTLESHIP ヤマト見てる事例もあるしな。他に類似品が滅多にない以上、インパクトはあるかも知れない」

「類似品?」

「そう発言したのはかなり昔だ。アップロード原稿を寝かせる期間が長すぎた。まさか、まほろばの映画という類似品が出てくるとは思わなかった」

「わはははは」

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