「これは何?」
「まだ塗装方法を確立する前に失敗したフィギュアの残骸だな」
「どこで失敗したの?」
「マスキングだ」
「えー」
「マスキングテープは隙間ができるし、マスキングゾルは剥がれにくくなる。髪の毛と顔が一体のキットも場合、境界をどうマスキングするのか未だに分からないよ」
「えー」
「今はマスキングしないで筆でぺたぺた塗っちゃうから関係ないけどね」
「ひ~」
「さて、そういうわけで今なら組めそうな気がして回収して持ってきた」
「それで?」
「片腕と旗のパーツが存在しない。旗はもう諦めるとして、足りない片腕はガンダムの腕を付けよう。こんな感じだ」
「サイバーな感じだね」
「そうだな」
「そもそもこれはどんなキット?」
「ボークスのキャンギャルコンペといって、複数アーティストがキャンギャルをデザインしたのだがこれは売れ残りらしい」
「これはデザインがダメなの?」
「そうは思わない。ただ、有名アーティストではないし、体型も太めだし、パンツも作っていないので理解されなかったのだろう」
「体型が太めでいいの?」
「年頃の少女はそんなものだ」
「パンツって?」
「見えないのになぜかパンツを作るのがフィギュアの基本になっている。でも自分は見えないところはどうでもいいから気にしない」
「ひ~」
「一応、本来なら以下のような完成品になるはずだったキットだ」
「この完成イメージを裏切っても完成させるわけだね」
「そもそも、ガンダムの腕を付けた時点で完全にイメージが裏切られるだろう」
「ひぇ~」
「ちなみに、ランチャー ストライク ガンダム。ツノに続いて腕まで強奪されて、どんどん形が無くなりつつあるゾ」
「ひぇ~」
他は §
「あとは、1/16透明レジン綾波の腕が取れているので、修復がてらこれも塗る。あとは11号娘も首から下を作らないと。10号娘が善愛の色バランスが不満なので、もうちょっと色をいじるかも知れない」
「それだけ?」
「まだまだ他にも一杯あるよ」
「作りかけとか残骸とかも?」
「そう」