2012年09月14日
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昨日はいったいどこでiPhone5の話題で持ちきりだったのか

Written By: 川俣 晶連絡先

「『今日はどこもこの話題で持ちきり』という言葉が凄く違和感だった」

「えっ? 何の話題?」

「iPhone5」

「僕はあまり話題を見てないよ」

「自分もだ」

「じゃあ、いったいどこで、その話題でもちきりだったの?」

「さあ」

「Apple信者?」

「実はそれも良く分からない」

「分からないって……」

「興奮して並んで買う!といきまいている人をほとんど見かけない。iPhone5をすぐ買いたいという人もほとんど見ないし、iPhone5を買ってどうする……という人もほとんど見ない。日経の表紙にも記事が出てこない。さすがに記事にはなっていたけどね」

「iPhoneってそんなに低調なブランドだっけ?」

「少なくとも前の機種の時はもっと熱く盛り上がる意見を多く見たよ。自分では買う気が全くナッシングだけどね」

「つまり、君が人間関係からApple信者を外して生きているから見ないわけでは無く、前回の新機種よりも低調になっているというわけだね?」

「そうだな。結論から言うとそうなる」

「じゃあ、君にとって昨日という日はどうだったの?」

「Visual Studio 2012のVirtual Launch Eventが深夜1時半からあって、30分ほどキーノートを見たけど、そのあと睡魔で敗退した。中身も英語だし頭に入ってないしね。まあ、雰囲気的にそれほど大したことは言っていないと思うけど」

「同じ日?」

「そうなるね」

「かなり重要な日が重なったね」

「それだけじゃないぞ」

「えっ?」

「任天堂のWii Uの正式発表も来た。3DSに青いランプが点灯して何かと思ったら岩田社長自ら説明するムービーが送られてきていた」

「それって微妙に分野が違うけどそれも重要じゃないか?」

「立て続けにみんな来て焦点がぼやけた感がある」

「えー」

「つまり、その程度のインパクトで印象がぼけてしまうほど、iPhoneブランドのブランド力は落ちているということだね」

「でも、Appleは大金持ちなんだろう?」

「金は期待感で集まる。実力とか中身は関係ない。建前上関係あることになっているけどね。でも、実際に中身は無くても集まってしまうのが金というものだ」

「それでいいの?」

「有り余る金で辻褄を合わせていければそれでいいが、それには痛みを伴う体質改善が必要だ。Appleにそれができるかは一切知らないよ」

重要度ランキング §

「じゃあ、この3つの重要度を君なりに決めてくれよ」

「あくまで自分個人の重要度ってこと?」

「そうそう」

「世間一般じゃなくて?」

「そうそう」

「なら簡単だ。Visual Studio 2012 > Wii U > iPhoneかな」

「なぜVisual Studio 2012がトップなの?」

「仕事で使うから」

「なぜ次がWii Uなの?」

「うん。今のところまだ買う予定は無いが、商品コンセプトの説明が面白かった。かなり革新的だよ」

「どこが?」

「Wiiの弱点は居間のテレビで家族の誰かが番組を見ているとゲームで遊べないことがある」

「そりゃそうだ。テレビの画面の奪い合いになるだけだ。テレビゲームなんだから」

「Wii Uってさ。その時コントローラの液晶で遊べるんだよ」

「えっ? あれってDSの下の画面みたいなものじゃないの?」

「違うみたいだぞ。通常時は、コントローラの液晶とテレビに同じ画面が出ると言っていた。別のも出せるけど」

「ならば、かなり革新的じゃないか」

「成功するか失敗するかは知らないが、かなり革新的だと思うよ」

「へー」

「まあ、そういうわけでiPhoneは、響いてくるものが何も無いね」

「それじゃ、全然分からないよ。もうちょっと具体的に萎えちゃう理由を教えてよ」

「そうか。えーと、そうだな。日経を見たら、iPhoneの部品調達の規模が大きいという記事が載っていた。日本企業もiPhoneの部品を納入するのがビッグビジネスという趣旨だね」

「それがどうしの?」

「まず出てくる話題がハードで部品って、いったい何十年前の話だよ。だからいちばん肝心な部分を外部に握られ続けて主役になれないんだよ。ソフトの話はどこに行った」

「どこ?」

「ってソフトの話をガンガンできるわけないよな。時代遅れのObjective-Cでシコシコ書かせるような勘違いデバイスでソフトに関する景気の良い話などできるはずがない」

「ぎゃふん」

「まああれだ。ソフトはアメリカ、ハードは日本というような分業論というペテンをいつまでも信じているようじゃ日本に未来は無いな。日本企業は永久に主役にはなれないで、没落し続けるだろう」

「ひ~」

「あ、少なくとも独自性のあるアイデアを製品に盛り込んでいるという意味で、日本企業でも任天堂にはチャンスがあるかな。成功するかしないかは知らないけど」

まとめ §

「で、君の言葉は信じて良いの?」

「信じるなよ。結論は自分の頭で考えて決めろ。以上」

「それって間違ってるってこと?」

「知らん」

「えー」

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