三百字小説『科学もんじゃ隊』

　科学もんじゃ隊はもんじゃを科学するために産まれた。

　だが、突然宇宙から飛来した悪の宇宙人と戦う羽目になった。

　彼らはぼやいた。

　せっかくの科学知識で美味いもんじゃを焼きたいのに!

　ある日彼らは任務にぶち切れて、悪の宇宙人にもんじゃを振る舞った。相手が誰だろうと、もんじゃを食べさせたかったのだ。

　悪の宇宙人は美味い美味いと言いながら全部食べてしまった。

　そして満足して帰って行った。

　地球防衛に成功したのだ。

　それを見ていた科学お好み焼き隊も真似をして、悪の宇宙人にお好み焼きを焼いて振る舞った。しかし、宇宙人は暴れた。

　どうやら宇宙人の好みでは無かったらしい。

(遠野秋彦・作 ©2012 TOHNO, Akihiko)