2014年01月04日
川俣晶の縁側ソフトウェアその他開発日誌 total 2428 count

クラウドスイート・YAMATO Drive開発開始宣言

Written By: 川俣 晶連絡先

「なんだいこれは」

「YAMATO Driveってソフトを書き始めているよ、って話だ」

「既に着手済み?」

「そうだ」

「そもそも、YAMATO Driveって何をするソフトだい?」

「位置づけとしては、これまで開発してきたクラウドシリーズのCloud1から4までの発展形だな。かなり違った形になると思うが」

「どこが違ってくるわけ?」

「コンセプトとして同じ部分と違う部分を説明しよう」

同じ部分 §

  • オールインワン
  • Azureで稼動する
  • 主にC#で書かれている

「なぜオールインワンなの?」

「Azureのインスタンスを増やすと金が掛かるので、1ソフトで全ての機能が使用できると安上がりで済む。全ての機能が同時に使われる可能性は低いからね」

「なんでAzureなの?」

「それこそ理由は様々だ。とりあえず、いつ終わってしまうか分からない他者のサービスよりはマシだ」

「Azureなら終わらないわけ?」

「終わる場合はあると思うけど、おそらく互換環境を確保できる」

「ひ~」

「だってこれはビジネスだぜ。儲からないなら消えるかも知れない。他のクラウドサービスも同じことだ」

「じゃあさ。C#ってどうなのさ」

「新しい技術が続々出てきている割に総合評価でC#に勝るものを私はまだ知らない」

「もし、本当に勝るものがあれば教えろってことだね」

「そうだよ。喜んで即座に移行するよ」

「それにも関わらず喜んで移行していないのは?」

「特定の部分だけ優れていると主張しているだけで総合力になると負けちゃうからだ」

「特定の1モジュールだけ上手く書けても全体がスムーズに書けないとダメってことだね」

「そうだ。動かないソフトの価値はゼロだ。動けばどんなに低評価でもゼロよりはマシだ」

「ソフト開発はライフサイクルで考えないとダメってことだね」

違う部分 §

  • jQuery Mobileの全面採用 (ただし古い技術も多少残る可能性あり)
  • ASP.NET MVCの全面採用 (ただし古い技術も多少残る可能性あり)
  • TypeScriptの全面採用 (ただし古い技術も多少残る可能性あり)

「なぜjQuery Mobile?」

「スマホが無視できないから。デスクトップのWebブラウザでもそこそこ見える画面になるし」

「スマホのネイティブアプリは作らないの?」

「作らない。環境の多様性は絶大で手を出したらコストで死ぬ。スマホもHTML5で対応していく」

「他者はネイティブアプリ作ってるよ」

「資金力があれば可能かもな。でも、コストが掛かりすぎるという愚痴はよく聞く。一般的な不満だ。キャリア各社は結局自社の利益のために、ソフト開発のコストアップを強いているがそれによる損失を補填する気などまるで無い。それどころか、ソフト開発のコストなんて存在しないと言うような綺麗な顔で済ましている。影ではすごく恨まれてるはずだ。キャリア各社のトップは、地獄の閻魔様に、今からどう言い訳するか考えておくべきだな」

「情状酌量の余地無く有罪ってことだね」

「まあそういうわけで、複数環境向けのネイティブアプリを作り分ける手間があったら新機能を実装したいので、不本意ながらHTML5とjQuery Mobileをメインに据えている」

「jQuery Mobileを採用した理由は?」

「"write less, do more"という標語なので」

「つまり、jQuery Mobile対応で多くを書きたくないってことだね」

「そうさ。そんな暇があれば新機能を実装したい」

「では、ASP.NET MVCの全面採用とは?」

「Visual Studio 2013のASP.NETはjQuery Mobileと上手く共存しないのだ。もともと共存するような技術でも無いけどな。これまでは強引に誤魔化して共存させてきたがそれも辛くなってきた。このあたりが移行のチャンスだろうと思って、全面的に移行中だ。もっとも、かなりの部分はまだ旧ASP.NETとModulaFだけどな」

「ModulaFなんてまだあるのか」

「興味がある人があれば公開しようと言ったら誰も言わないので自分しか使っていない幻の技術だな」

「ModulaFは辞めたいの?」

「ModulaF……とうよりも、XSLTの効率が悪いのが難点でな。ModulaFをやめたいというよりも、XSLTをやめたい」

「TypeScriptの全面採用とは?」

「JavaScriptの破滅的に低い開発効率をそれでカバーするよ」

予定される機能 §

「じゃあ、それでYAMATO Driveにはどんな感じの機能が入る予定だい?」

「そうだな。まだまだ未確定な部分が多いけれど。こんなものが入ってくるのでは無いかな」

  • 全機能を横断したユーザーとグループの管理機能 (Cloud4のユーザー管理の発展形)
  • 地図上に絵を描くジオドロー機能 (Polotierの発展形)
  • 簡易ブログ機能 (MagSite1/2の発展形)
  • 簡易掲示板機能 (りすと亭の発展形)
  • ゲーム機能 (ANGFの発展形)
  • 「空」の日本地図 (新機能)
  • 画像データベース (新機能)
  • メールサーバ機能 (新機能。実現方法の詳細未定)

「発展形ばかりだな」

「そうさ。時代遅れになったが無価値では無いソフトの再生も目的の1つだ。無価値ではないのに時代に合わないだけで売れないのはつまらないしな」

「「空」の日本地図ってなんだ?」

「まだ内緒だ」

「画像データベースで何だ?」

「うん。実はね。本当は本筋と関係ないんだけど、既存のソフトを試しに使ったら量的な制限がきつくてね。ネットで集めた画像を全部加えると死ぬほど遅くてね。結局、そこで大きな制限があると分かったので、画像データベース機能を作ろうかと思っている。量的な制限を緩和した奴をね」

「メールサーバ機能って?」

「メールサーバを外部に確保するのは大変なのでね。何らかの方法で統合したい。もちろん、自分では書かない方針で」

「書かないけど統合するのか!」

「そうそう。利用者に"SMTPサーバを用意して下さい"っていうのはけっこうハードルが高い。昔も高かったが、今はもっと高い」

「なんで、もっと高いの?」

「spamを転送させないために外部からの利用を制限したサーバが主流だからさ」

「な、なるほど……」

利用形態 §

「必要ならパッケージ売りをしても良いが、おそらくサーバの利用がメインになるだろう」

「契約して使うわけだね」

「基本機能は全部無料で開放する予定だけどね」

「それで契約すると全部使えるようになるわけ?」

「いや。必要な機能だけ契約して使う方法が良かろうと思っている。その方が安上がりで済むからね」

「なるほど……」

「その先の話はまだヒミツ」

「ケチ!」

見通し §

「2014年中に原形が動けばいいねえ」

「そんなスローペースかい!」

「そんなもんだよ」