「普通は短所を反省して長所を伸ばすものだ」
「何がいいたいんだ?」
「いやね。ACE COMBAT INFINITYの大規模バージョンアップがかなり酷そうだ」
「何が目玉なの?」
- ムービー公開
- 期間限定チームデスマッチイベント
- キャンペーンの新ミッション
- オンラインの新ミッション
- 新機体
「何が問題なの?」
「現状、自分が見たところ、チームはほぼ存在しない。そもそもチームは成立しない」
「なんで?」
「ランダムにアルファとブラボーに臨時編成されて、互いに競い合うからだ。特定メンバー間の協力関係はそもそも生まれない仕様だった。それにも関わらずいきなりチーム戦をやれと言われても無理だろう。確実に背中を任せられる相棒なんて存在しないからだ。そうすると、チームで高性能機を狩るという方法論はほぼ成立せず、単純に高性能機を持っている奴だけが残る」
「金を使えって意味じゃ無いの?」
「本当に金を持っているのはサラリーマン層で、実は彼らはプレイ時間が少なく、それほどやりこんでいないから、良い機体に乗っていないよ」
「じゃあ、熱心にプレイしている層を優遇して金を持っている層を優遇しないってことか?」
「そう見えたがね」
「自滅願望?」
「知らん」
「他にも問題があるの?」
「ある。ムービーの映像がまるでH.A.W.K.Sのアシストオフそっくり。アシストオフは全く使えないので、強制的に使用されるミッション以外では使用しなかったモードだ。それにも関わらず、そういうビジュアルを理想として提示するのはずれていると感じた」
「どこがどうずれているわけ?」
「バンナムはかっこいい戦闘機を見せたいらしいが、こっちは別に見たくない。重要なことはスティックを倒したらそれに応じて機体も動くことだ。そもそも、見たいのは敵だ。周囲の状況だ。自機じゃない。戦闘は先に見つけた方が勝つんだ。わざわざ視界を妨害するでかいオブジェクトを見たいものか」
「それってもしかして?」
「報酬がスキンとかエンブレムのイベントとか、ぜんぜん意欲がそそられない。戦闘中はまず見ないからだ」
「戦闘中もHUDで僚機のエンブレムは見るんじゃないの?」
「確かにHUDに僚機のエンブレムは見えるのだが、そもそも僚機は見ない」
「なんで?」
「だって、僚機を見るってことは同じ敵を攻撃するってことだぞ。あるいはその僚機が次に攻撃するであろう敵を攻撃するってことだ。しかもエンブレムが見えるということは自機より前にいる。つまり、先に僚機の攻撃がヒットする可能性が高い。だから自機は即座に他の敵に切り替える。向きを変えればもう僚機は見えない」
「エンブレムにはあまり意味ないじゃん」
「無いよ。それが味方機であるという以上の情報は無い」
「で、君はどう思うの?」
「上手く機能していないマッチングシステムを何とかするのが先だろうと思うよ。やってもやっても既に満室と言われるとかエラーで落ちるとか、残り1~2人で待っているのにいつまでも人が来ないとか。入る前にミッションが分からないから、入った直後に出る人が多いとか、マッチングレートが実力を全く反映していないとか、問題だらけだ」
「それはどういうことだい?」
「スムーズに遊べて楽しかったらまたやろうかと思うが、ストレスの方が多かったら徐々に人が離れていくだろう。ってか、キャンペーンで使うためのそこそこの性能の戦闘機が欲しかっただけなので、こういうストレスの多いモードは必要な機材を調達できた時点でオサラバかな。スムーズに遊べるようにシステムを改善するより熱心にエンブレムやスキンを増やしているようじゃ、先は無いな」
「他には?」
「キャンペーンとオンラインの新ミッションは、システムの改善の方が先だと思うね」
「トンネルに入れるよ」
「あのさ。ストーンヘンジはAC04以来のお久しぶりだから確かに会えて良かったよ。でもね、トンネルはシリーズを通しての定番だからさ。別にそれほど飢えていないの」
「新機体は?」
「このゲームは機体の入手とレベルアップの手間がやたら高いので、計画的な機体の育成が欠かせない。そこで計画外の機体が出てきても、余程のことがないかぎり対応出来ない」
「似たような性能の機体がいくら増えても無いのと同じわけだね」
「そうだ。はっきり言って要らない」
問題の根源 §
「問題の根源は何だと思う?」
「ACE COMBATというのは、エースパイロット気分を味わうゲームであって、エースパイロットになるゲームでは無かった。しかし、今のこのゲームは、【ゲーム内で本物のエースになれ】と求めるゲームになっていると思う。でもそれはビジネスとしてはNGだ。そのシステムは本物のエースになれないと思った時点で脱落者を増やす。つまり潜在顧客を取りこぼす」
「たとえば?」
「F-14A -WD-が欲しかったプレイヤーは多いと思うが、普通にやっていたらまず無理」
「どうすればいいと思うの?」
「高すぎない目標を提示して、【それをクリアした人には全員に渡す】というシステムの方がずっといいだろう」
「分かった。プレイヤー間に順位を付けちゃいけないわけだね」
「そうだ。上手かろうと下手だろうと、客は客。むしろ、下手なプレイヤーほど下手さをカバーするために金を使ってくれる可能性すらある」
「分かった。100円玉1つでずっと粘ってハイスコアを叩き出すプレイヤーはむしろインカムの敵ってことだね」
「そうだ。インベーダーに百円玉を積み上げて延々とやっている下手なサラリーマンの方がずっと収入になる」
「インベーダーに百円玉を積み上げって、今の若い人には通じないよ」
オマケ §
「そうだな。Tunnel Vision的トンネルを全員で競争するというミッションはあってもいいかもしれない。全員同じ機体を使うという前提で。ワンメイクレースだ」
「なんで?」
「絶対に結果が安定しない」
「なんで?」
「勝つためには加速する必要があるが、加速するとかならず障害物にぶつかるリスクが高まる」
「上手くても油断した瞬間にちゅどーんがあり得るわけだね」
「それにどのドアが閉まるのかが分からない場合、それを見極めない限り加速はできない」
「単純な加速も封じられるわけだね」
「このドアが閉まることに賭ける……と考えてより上手い相手を出し抜く、という展開があってもいいかもしれない」
「10回に9回は負けちゃうけど、1回出し抜けたら爽快ってことだね」
「そうさ。結果が見えたゲームほどつまらないものはない」
「いくら映像が格好良くてもダメなのだね」
「かっこいい映像は1回見れば十分。繰り返しプレイが前提なら意味がない」
「それは証明できる?」
「色違いのアイガイオンが来ても映像に感動が無い」
「レーザーを撃ってきてやっと驚けるわけだね」
「SFアニメかよっ!w」