「つまらない映画ではない……。つまらない映画ではないのだが……、おそらく当時のアニメ界が背負うには重すぎた」
「どういう意味だい?」
「監督は舛田利雄、勝間田具治の連名だが当然桝田監督は実写側の人。実写映画に耐えられる水準と、アニメ映画に耐えられる水準は違う。しかし、その水準を超えてしまったのだろうと思うよ」
「それだけ?」
「いや。生頼範義の起用でも限界を超えちゃってる感じがある」
「どのへんに破綻が見られる?」
「オタクに受けそうもないバタ臭いキャラクターもそうだし、イーグルに見えないバランスのイーグルとかね」
「他に何か映画の感想があるかい?」
「戦争を知ってる世代が作っているから、戦闘シーンでは無く戦闘の廃墟にいる人々の生々しさが違う。今のアニメスタッフにこれは作れまい。それに狂った人間や、偶発的な出来事で戦火が拡大していく成り行きも良いな」
「でも、問題もあるわけだね?」
「欠陥を探せばきりがない。でも【このなんだか良く分からない崩れた戦闘機は何?】なんて言っても野暮なだけだろう」