2014年09月13日
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Azure Table Storage Scaffolder, Version 1.0.24の研究

Written By: 川俣 晶連絡先

「悪戦苦闘したので、その結果のメモだ」

「対象は何?」

「これだ」

「これは何をするもの?」

「Azureのテーブルに対して、CRUDするUIを作ってくれる」

「チュートリアルが一応付いているようだけど。サンプルソースもあるようだね」

「それが普通にやると上手く行かないので、かなり悩ましいのだ」

「えー」

「自分が発見した注意点を以下に列挙する」

  • テストする際は、AzureのコンピュートサービスのプロジェクトをASP.NET MVCで作成すること。(AzureではないただのASP.NET MVCプロジェクトは不可。この条件を満たさないとスキャフォールディングが失敗する)
  • 英語版の環境で実行すること (日本語カルチャでは単語を複数形にできないので、スキャフォールディングが失敗する)
  • Kendo前提 (使用できるUIフレームワークは限定的)
  • データ記録に使用するクラスは引数無しのコンストラクターと、引数に1つだけ取るコンストラクターが必須。省略するとスキャフォールディングは上手く行くがビルドできない
  • .NET Framework 4.5.1に切り替える (4.5のままでは一部の必要モジュールが入らない)
  • Azure Table Storage Scaffolderそのものはnugetでは入らない。【ツール→拡張機能と更新プログラム】を使うこと

「それで結論は?」

「ただ単にCRUDするUIが欲しいだけなら手間が掛かりすぎるので、ちょっと自分には敷居が高いかなあ。問題は多いが、特に日本語カルチャではスキャフォールディングできないのは致命的」

「それは……厳しいね」

「まだバージョンが若いし、まだまだこれからの技術なのだろうけど、こちらは我が道を行こうかと思っている」

「それはどうして?」

「UIの自動生成というのはね。実は【りすと亭】を開発した10年以上前に確立しているのだ。まだ洗練はされていないけれどね。今作り直せばもっといいものが作れる。リフレクションを解説する本まで書いた今となっては、既存のクラス定義から読み書きするUIを生成するなど簡単なことだ」