2014年09月18日
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三百字小説『アニメの勇者に僕はなりたい』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 「神さま。僕はアニメの勇者に僕はなりたいです」

 僕の願いはなぜか神さまに届いた。

 「なぜアニメの勇者になりたいのかね?」

 「最強無敵。しかもいつも隣に忠実な美少女剣士がいます」

 「よろしい、願望は分かった。その願い叶えて進ぜよう。ちちんぷいぷいぱらっぱらっぱー」

 僕はアニメの勇者になり、剣を振るってドラゴンを退治した。

 美少女剣士が隣に戻って来た。

 だが、戻った美少女剣士を見て僕はビックリした。美少女剣士が1本の直線になってしまったのだ。

 「バグったぞ。僕は美少女剣士の可愛い顔をいつでも横に見るために勇者を望んだのだ」

 神さまは答えた。「何を言う。アニメのキャラは平面だから、横から見ると直線しか見えないぞ」

(遠野秋彦・作 ©2014 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦