2014年09月25日
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続・3分でわかる宇宙戦艦ヤマト2199はどこが画期的なのか

Written By: トーノZERO連絡先

Subject: 3分でわかる宇宙戦艦ヤマト2199はどこが画期的なのか

Keyword: 【▲→トーノZERO→アニメ感想→宇宙戦艦ヤマト】

URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20140923100926

名前: トモネコ

本文:

「14分で分かるエヴァンゲリオン(汗)」

お仕事、ご苦労様ですm(__)m

3分で分かるヤマト2199があちらこちらで盛り上がっていますね。

14分で分かるエヴァはどうでしょうか?

http://www.youtube.com/watch?v=TeoFnVoiQAs

作りはヤマトと同じでギャグですが結構マジで分かります!

トーノ様はエヴァを嫌いな事は承知ですが(^_^;)

「うむ。この話題はもう少し続けないとダメか」

「14分で分かるエヴァはどう?」

「つまんないから途中で切った。確かこれ前にも見たことがあるけど、ちゃんと見た記憶が無い。途中で切ったか真面目に見ないで流しただけだと思うよ」

「既に知っていた映像ってことだね」

「そうだ」

「じゃあX分で分かる系の動画は見ないわけ?」

「100秒でわかる機動戦士ガンダムUCは見たぞ」

「えーと、君はガンダムにもエヴァにも興味が無いと思うけれど、14分で分かるエヴァは見ないで100秒でわかる機動戦士ガンダムUCは見た理由はなんだい?」

「要するに世間で話題だけれど興味無いアニメの知識を得るために14分も拘束されたくはないってことだ。はっきり言って飽きる」

「100秒ならいいわけ?」

「まあ許容の範囲だ」

「どこまでなら許せると思う?」

「テレビで入ってくるCMの連続した長さの総計ぐらいではないかな」

「1つの番組が終わってから次の番組が始まるまでだと最長で3分ぐらいかな」

「うん。だいたい3分ぐらいが目安だと思う。さすがにそれ以上の時間は割けない思って良いと思う。その点で14分は長すぎてファンかファンの予備軍しか見ない」

「ケチョンケチョンだね」

「そうさ。長すぎる映像は長すぎるというだけでNGなんだよ。見る方がその長さを許容できない」

「では【3分でわかる宇宙戦艦ヤマト2199】はぎりぎりセーフ?」

「あれは許容できる範囲に収まったと思う」

「そこは肯定的に見ているわけだね」

「そうだ」

「でもさ。3分じゃ肝心なことは何も分からないよ」

「そうだ。そもそも、【3分でわかる宇宙戦艦ヤマト2199】は何が分かるのか、という問いかけが必要だ。あれは誰が見る映像で、それを経由して何を伝えたいのかをきちんと考える必要がある」

「ヤマトファン?」

「いや、ファンはもっと長い映像を見る。3分という制限に意味は無い。3分も見るだろうが、もっと長くても見るし実際に見てきた」

「では誰が見るの?」

「ちょっと気になるぐらいで、ヤマトにそれほど興味が無い人だろう」

「では、【ヤマトにそれほど興味が無い人】に向けたメッセージとは何だ?」

「簡単に言えば、【年末は劇場で新作映画を見てね】ってことだ」

「だから【地球は救われました】ではなく、敵が出現して終わってしまうわけだね」

「そうだ。【続きはWebで】ってのが流行ったが、これは【続きは劇場で】なのだ」

「でも興味が無い人が劇場に行くと思う?」

「問題はそこだ。この映像は、興味が無い人を興味がある人に変えねばならない。どうやってそれを行っているのか」

「何かトリックがあるのかい?」

「そうだ。この映像にはトリックが1つ仕込まれている」

「それはなんだい?」

「オタク向けアニメとしては解釈できない、という決定的な表現が仕込まれている」

「もっと具体的に言うとどうなんだ?」

「今のオタク向けアニメは男向け、女向けが明確に別れていて、境界線のハードルは高い。明確な棲み分けが成立している。ところが、この【3分でわかる宇宙戦艦ヤマト2199】はそのどちらにも分類できないことを暴露してしまっているのだ」

「どう暴露しているわけ?」

「ストーリー、メカ、宇宙、戦争は基本的に男の子向けの表現なのだが、実はナレーションで強調されるのは全裸で登場するデスラーであり、顎が割れているドメルであり、沖田の白い髭なのだ。この男ばかりがずらりと並ぶアニメは男の子向けではあり得ない。女の子向けなのだ」

「じゃあなんだよ」

「実は、【3分でわかる宇宙戦艦ヤマト2199】という映像は、【普通のオタク向けアニメとしてヤマト2199なんか興味無い】と思っていた人達に対して、【普通のオタク向けアニメ】ではないことを分からせる内容になっているのだ」

「【普通のオタク向けアニメ】ではないってことは、どういうこと?」

「だからさ。【ああ、よくあるああいうアニメね】と思われたらそれっきり見てもらえない。しかし、【あなたの常識の外側にありますよ】【劇場に見に来ないと分かりませんよ】というメッセージを伝えれば観客を掘り起こせるかもしれない」

「分からなければ興味が沸くかもしれないってことだね」

「そうだ。実はこの映像は【分からない】という最重要の情報を伝達しているのだ」

「でもさ。【3分でわかる宇宙戦艦ヤマト2199】だろ。【3分でわかる】だろ。【分からない】が最重要情報でいいのかい?」

「だからさ。【分からないことを分かって頂く】という構造を取っているのだよ」

「ぎゃふん」

「だからね。そこは屈折しているわけだ。非常に多くの情報をぶっちゃけ切り落として安っぽい分かり易さによって成立しているように見えるのだが、本当に肝心な部分はミステリーなのだよ。見たら立ち止まって考えねばならぬ作りになっている。立ち止まらないとしても小さなトゲが心に残る」

「そのトゲを抜こうとするとどうなるの?」

「傷口が広がって、より幅広くヤマトを知ろうとするだけさ」

「トゲに気づかない鈍感な人は?」

「それはしょうがない。縁が無かったとして諦めるしかない」

宇宙戦艦ヤマト

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