2014年10月13日
川俣晶の縁側ソフトウェア技術雑記 total 5508 count

Windows Azureで考えるセッション問題・1つの解決編

Written By: 川俣 晶連絡先

「実際にコードを書いて試したところ、ひょんなことで解決策が見えてきた」

「それはなんだい?」

「我々が欲しいのはセッションオブジェクトのストアではない。単純にセッションを識別するIDだけであると割り切ってみよう。IDを使って何をどこから取得するかは個々のページの問題だ」

「割り切ると何が解決策があったの?」

「偶然気づいてしまった」

「なにに?」

「何もしないで実行するとページがへんかするごとにSessionIDの値はどんどん変化していく」

「うん」

「ところが、以下の行をglobal.asaxに追加するとそれだけで変化しなくなった」

        void Session_OnStart()

        {

            // Session start-up code goes here.

        }

        void Session_OnEnd()

        {

            // Session clean-up code goes here.

        }

「セッション管理の設定は?」

「インプロセスのまま」

    <sessionState mode="InProc"></sessionState>

「それで複数インスタンスにするとどうなるの?」

「それでもたった1つのSessionIDを示し続けたよ」

「まとめるとどうなる?」

  • セッションの識別IDが欲しいだけなら、実はセッションの問題は急に簡単になる
  • 複数インスタンスのAzure環境であっても、IDが欲しいだけなら特別なセッション管理システムは要らない

「でもおかしいじゃないか。ならばそのIDはいったいどこに保管されているんだよ。インスタンスを超えて共有されるのに、どのDBにも保管されていないんだろう?」

「クッキーに保管されているから、Webブラウザが同じならサーバ側のインスタンスが違っていても共有される」