Subject: ヤマトとサンダーバードの関係はあるのか無いのか
Keyword: 【▲→トーノZERO→アニメ感想→宇宙戦艦ヤマト】
URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20140503084409
名前: ヤマノブ
本文:
お久しぶりです。いつも読ませていただいております。
劇場版二作も発表され、期待半分不安半分です。
バリーグレイ!素晴らしい作曲家です。
サンダーバードは子供向けでありながら、スーパーマリオネーション、魅力的な特撮、そして音楽でも一切妥協しなかった名作ですね。
人間の役者を使ってしまうと何十年後に観た人が違和感を覚えるから人形劇にする。先鋭的です。
ヤマトも当時の子供向けアニメの常識を覆した点で、志にも共通点は多いと思います。
私は物心つくころからNHKの丁寧な日本語吹き替え(笑)のサンダーバードを見て育ちました。
昭和最後生まれの私のまわりではもっぱら仮面ライダーブラックやウルトラマン(再放送)、ジェットマン等が流行っていました。
が、いずれもサンダーバードと比べてしまい、気に入らなかったようです。
サンダーバードばかり観ていた私がある日気に入ったのがヤマトだったそうです。
今思えば贅沢な子供ですね。
ヤマトにすっかりはまった頃、宮川泰先生に直接お会いするチャンスがありました。
当時まだ幼稚園児でしたが、生意気にも楽屋にお邪魔し、子供ながらに熱い思いをぶつけたのを覚えています。
場面転換があるとき、サンダーバードではBGMが画面に追随する感じがヤマトにもあって、大事なところで必ずヤマトのメロディーが聞こえるのがかっこよくて好きだと話したと思います。
狼狽する宮川先生は今でも忘れられません。(笑)
「いわれてみれば、似ているところがあるかも。自分でも知らない間に影響を受けているかもしれないな。」
そう先生は子供にも丁寧に答えてくださいました。
リズムの使い方、転調のタイミング。
主題のメロディーがどんな曲調でもさりげなく入ってくる気持ちよさとかっこよさ。
パクリとか同じという訳ではなく、曲の流れ、空気が近いですね。
当時アメリカやヨーロッパの劇伴で流行っていた、クラシック寄りの曲作りであり、良くある作り方ではあると思います。
しかしながらバリーグレイと宮川泰先生のセンスの良さ、そしてフットワークの軽さ、なにより画面との調和は他に類をみません。
もちろん有名な映画では素晴らしいBGMが沢山ありますが、テレビシリーズ(それも子供向け)でそれをやったという所が共通点だと思います。
部類の音楽好きの西崎プロデューサーが携わったのもポイントだったのでしょう。
以降、私は音楽と映像のバランスがいい作品ばかりを求めるようになってしまいました
。
でもその中でもやはり「ヤマト」は特別だと感じます。
主題がバリエーションとなって、色々な曲調に挿入されるBGMは最近減っていますね。
キャッチーな主題を書ける作曲家が減ってきています。山本直純さんも羽田健太郎さんも。
それに、キャッチーな主題に頼るのが安易な手法とされ、避けられている面もあるのかなと思います。
逆に主題が主張しすぎて絵を超えてしまっている(FGMになる)とこれまたぶち壊しな訳で。
子供向けと手を抜かず、また小難し過ぎもせず。何年も語り継がれる作品は出てこないのだろうか?明日への希望は無いのだろうか?
ヤマト2199も絵ばかりでなく音楽面にも目を光らせ、温故知新を志して欲しいところですね。
長文失礼致しました。