「公開初日の第1回目でFURY見てきたぞ」
「それでどうだった?」
「凄いぞ。救いが一切無い映画だ。もはや神に祈るしかない」
「ひ~」
「ともかくシャーマンの弱さが余すこと無く描かれている。主役戦車だけど弱い弱い」
「ひ~」
「ティーガーだけが敵じゃない。パンツアーファウストに狙われ、対戦車砲に狙われ、地雷に擱座させられ、ハッチに手榴弾を投げ込まれる。ボロボロだ」
「ティーガーに負けるの?」
「一応勝つけどさ。3対1で挑んで、2両撃破された後でやっと後から撃って仕留める。正面装甲は撃ち抜けないから」
「ダメじゃん」
「というわけで、良く分かった。シャーマンは地獄巡りの乗り物。シャーマンの敵はドイツじゃない。シャーマンじゃ勝てないというのに重戦車送ってこない米陸軍上層部。でもその辺の話はこの映画の範囲外」
「どこが範囲内なんだよ」
「地獄巡り」
「ひ~」
「いちばん活躍するメインの武器は車体前部の機銃」
「主砲ですらないのか」
「一番凄いのは、やっぱり底面の脱出口。これまできちんと活用したドラマ作りはシャーマンのかなりのマニアが作ってる感じだろうなあ」
「で、君は地獄巡りなのにそれでいいのか?」
「地獄巡りだからいいんじゃないか」
「ぎゃふん」
誰かが生き延びないのかよ §
「誰かが生き延びないのかよ」
「いちんばん若い新入りだけが生き延びる」
「そこは救いがあるじゃないか」
「あまりに悲惨な光景を見せつけられて、心に傷を負っているには間違いない。この先生きていくのが凄く辛いと思うぞ」
「生き延びでもそれが地獄かよ」
オマケ §
「おっと地獄と言っても楽しい地獄じゃないぞ」
「恐い地獄ってことだね」