「今日の経験だが」
「なんだい?」
「意味不明のエラーメッセージが出たが、検索しても何も分からなかった」
「なぜだい?」
「日本語での情報の蓄積がないからだろう。日本語のエラーメッセージを検索しても、同じ問題で悩んだ人がいない。まあ最近はよくあることだけどね」
「ネットにはなんでもあるんだろう?」
「運が良ければな。あるいは英語ならな」
「ひ~」
「英語でも無い情報は無いから、ネットには何でもあるは嘘」
「ひ~」
「というわけで、今日はどう対策したか」
「対策できたんだ」
「そう。実は山勘で、【こういうエラーメッセージの原文はこういう表現だろう】とあたりを付けて検索した。その結果、同じような問題で悩んだ人が世界には他にいることが分かり、解決のヒントが得られた。まあ、APIの名前が間違っていてそこは引っかかったけどな」
「それは、【原文を推定するスキル】があって始めて検索可能になるという話かい?」
「そうそう。これは、【ググれ】が十分ではないことを示す。【ググれ】で見つかる情報など全ての情報のほんの一部。他に多くの人が知りたがった情報だけで、しかも正しいかどうかも定かではない」
「問題はその先なのだね」
「そうそう。ネットは全ての人に対しては平等に開かれていない」
「ひ~」
「使いこなし1つで、全く違った姿を見せてくれる」
「情弱は去れってこと?」
「実は情報弱者、情弱という言葉を使いたがる者達こそ、実はネットを使いこなせていない逆説がある」
「なんてこった!」
「実は、他人のなんでも質問する【教えて君】と、ネットを検索してすぐ納得する【ググる君】は大差ない。問題はすぐに答えが手に入らないときにどうするかなんだよ」
「未知を既知に変える手段は安易な質問でも工夫の無い検索でも無いってことだね」