2015年01月22日
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三百字小説『殺人集団トンマ団』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 トサツ団は殺人集団だった。

 しかし、殺人に成功したことはなく、頓馬の集まりでトンマ団と呼ばれていた。トンマ団に狙われて死んだ者は、トンマ団に殺されたのではなく、事故や身内の怨恨で殺された者ばかりだったのだ。

 いかにも潰れそうな殺人集団だが、殺さなくて良いのなら楽なものだと俺はトンマ団に入った。

 「では基本をレクチャーする。いかにして自ら手を下さずにターゲットを死に誘導するかだ。それには、事故確率の高い場所に誘導する方法や、身内の憎悪を煽る方法がある」

 科学的方法論の勉強のハードルがあまりにも高すぎるので、俺はトサツ団から落ちこぼれた。俺こそがトンマだったのだ。

(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)

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