「戦争中の国策映画を見た感想はどうだい?」
「1942年。配色が濃厚になる前だ。ひたすら強いぞ皇軍という単調な話で、映画としての面白さはそれほどなかったと思う。力ずくで押し切って勝った感じ」
「それで?」
「ただし、今ではもう絶対に見られない貴重な映像のオンパレードだろう。特にPOW撃沈後に入る各種軍艦の短い映像。重巡の出番多し。高雄型と見える艦や利根型かもしれないと思える艦など。他にも軽巡か駆逐艦という感じの船もあったし。あまり厳密には確認できなかったけど。あとは戦艦もな」
「他には?」
「あれ、これはPOWじゃないな。レパルスか? と思ったらレパルス撃沈と言ってた。かなり作りは鋭かったようだ」
「ただの国策映画ってことが惜しいわけだね」
「映像の内容が良いだけに惜しいな。結局、軍隊を悪く言えないから物語に起伏がない」
「後年の山本五十六ものなら、三国同盟締結とか、ミッドウェーの敗北とか、いろいろ起伏があるわけだね」