2015年02月21日
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東急プラザ渋谷 タイムスリップギャラリー展示の渋谷急行路線図から考える永福寺と池問題

Written By: 川俣 晶連絡先

「ここに展示された渋谷急行の路線図だが、【高井戸村】で京王線と交差するという特徴がある」

「現在のいわゆる【高井戸】を京王線は通っていないよね」

「そうだ。そこで再検討するために東急プラザ 渋谷 タイムスリップギャラリーにもう1回行ってきたよ」

「何か分かった?」

「分かった。永福寺は地図に書いてあったので、位置の基準になる。永福寺よりも手前で京王線を交差している形なので、おそらく下高井戸と明大前の間に予定交差点が存在したのだろう。そして、これを【高井戸村】と称しているのだろう」

「そういう路線図は以前にも合ったね」

「そうだ。その点で奇異ではない。普通の渋谷急行の予定路線図だ」

「では何をこんなに興奮しているのだ?」

「永福寺のすぐ下に大きな池が描いてあるからだ。しかも2つも」

「ちゃんと説明してくれ」

「北から南に向かって以下の順番に描いてある」

  1. 永福寺
  2. 池(1)
  3. 予定路線
  4. 池(2)

「ここから分かることは?」

「以下の2点だ」

  • 渋谷急行の予定路線は永福寺の南を通っていた
  • 渋谷急行の予定路線は2つの池の中間を通っている

「実際の井の頭線は永福寺の北だね」

「そうだ。そこが違う」

「ならば、何が問題なんだい?」

「この2つの池は何か」

「はて、永福寺の南に池なんてあったっけ?」

「そこで無い知恵を絞って考えてみた。池(1)を養魚場と考えると池(2)が分からないがどうせ縮尺の曖昧な説明図だ。どこかの池なのだろうと解釈できる。吉田園の池かもしれない」

「それで?」

「別案として、池(1)は【永福寺の池】という解釈を取ってみた。すると、池(2)は養魚場だろうと考えた」

「その場合は、昭和初期まで【永福寺の池】が残存していたことになるね。どっちの解釈がいいの?」

「解釈としては池(1)が養魚場、池(2)が吉田園の池(あるいは別の何かの池)と解釈する方が自然だろうな。そうすると、以前見た計画案の地図とも整合する」

「残された問題はなんだい?」

「渋谷急行と京王線の交点に書かれた【免】という文字の意味だ。はたしてなんだろう?」

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