2015年03月05日
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三百字小説『殺人集団グンマ団』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 グンマ団は殺人集団だった。

 といっても、別に群馬県限定で活動するローカル殺人集団というわけではない。

 殺人者が「群馬から来ました」と偽名を名乗ることが多いので、付いた通称だ。

 探偵の俺は考えた。

 理由も無いのに、群馬から来たと名乗るわけがない。

 俺は、群馬県を隅から隅まで歩いた。

 だが、関連施設は1つも見つからなかった。

 東京に帰った俺は殺人者に襲われた。

 「群馬から来ました。才谷です」

 明らかに偽名だった。

 「だが群馬には関連施設は1つもなかったぞ。なぜ群馬から来たという」

 「冥土の土産に教えてやろう。それは他のどの県にも施設があってそれを名乗ると施設が狙われそうだからさ」

 俺は拳銃で撃たれ、意識が遠くなった。

(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)

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