2015年04月24日
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玉電山下は2度死ぬ・山下駅2回移動疑惑の勃発【解決編】

Written By: 川俣 晶連絡先

前回までのあらすじ §

  • 現在、山下駅は、北沢川跡の南岸に、上りホームと下りホームが向かい合って存在している
  • かつて、上りホームと下りホームは食い違った状態で存在し、一部は北沢川に掛かっていたことは古い地図上で確認できた (つまり、ホームの位置の移動は確かにあった)
  • しかし、【「山下」とは北沢川北岸の地名である】【「山下」の下高井戸側の坂の上にある三井生命はもともと駅を意識した場所ではなかったか】という桜上水Confidentialさんの意見は残ってしまった(北沢川北岸説)
  • 三井生命付近に駅があると記載された資料があり、そこに駅があった疑惑が浮上

新しい情報 §

個人的な自分の現地調査編 §

「実はあのあと、何度か現地を見ているのだ」

「その結果はなに?」

「三井生命の線路脇に不自然な空間があって、そこにホームがあったとしてもおかしくないような気もするが、それにしては少し狭い。本当にホームがあったのかははっきりしない」

「曖昧だから、何かを見つけたという感じではないわけだね」

「そう。いろいろな意味でここにホームがあったと考えるのは微妙」

「では君の考えは?」

「きむらたかし@三田用水さんがご指摘する通り、この位置に駅が作られることはおそらくなかったと思う」

「つまりなんだい?」

「少なくとも1回目の移動は【計画段階】に起きていて、移動前の山下駅は実際には存在しない……と思って良いと思う」

「計画段階で移動したとしても、その前に駅名は決定しているようだから、微妙に実際の土地とずれた名前でもおかしくないわけだね」

「問題は2回目の移動だが、こちらはホームの位置が移動しただけの話なので、世田谷線の他の駅でもあった問題と同じで、それほと突飛でもない。あったとしてもおかしくはない」

「北沢川の流路改修とも関連するから現地を見ても分かるとが限らないわけだね」

「そもそもホームの厳密な位置まで分かる詳細な資料は少ないので、そこまで行くとなかなかな調査が難しい」

「まとめるとこうなるわけだね」

  • 山下駅が2度死んだ可能性がある
  • 1度目は書類の上で死んでいる (実際にその位置に建設されなかった)
  • 2度目は北沢川の流路改修とも絡むので今一つ明確ではない (地図以外の根拠をまだ持ち得ていないが、地図は現地を正しく反映しているという保証が無い)

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