「これは面白い。映画として筋も通っている」
「ミニラなんだろう?」
「福田純監督のゴジラはゴジラであってゴジラではない。ゴジラには感情があり、感情移入可能なのだ。ゴジラは僕であり、積極的に怪獣イコール僕という構図を肯定する。それゆえに、表現が軽いのだ」
「でも、怪獣がそれでいいの?」
「いいのだ。子供を持つ世代が客層に多くなってきた時代なのだろう。そういう意味で僕が怪獣であるなら怪獣に子供がいることはむしろ良いことなのだ」
「ふーん」
「それから、人間がちゃんと活躍しているのが良いのだ。最後の最後まで人間の出番がある。最後に海から出てくるのは潜水艦であって怪獣では無い。南の島に雪を降らせてゴジラとミニラを冬眠させて、怪獣を倒してはいるのだ」
「じゃあ、この映画は本当によいの?」
「おいらは好きだぜっ!」
「他には?」
「高島忠夫かっこいいぜ!」