2015年05月28日
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三百字小説『殺人集団トノマ団』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 トノマ団は殺人集団だった。

 と言っても正式名称ではない。殺害現場に、必ず「ト」「ノ」「マ」の3文字を書き残すことから、付いた名前だった。おそらく、首領の名前がトノマという名前ではないかと噂された。

 だが偶然その首領が逮捕された。

 酒場で酔って、自分から【あの男は俺が指令して殺した】と告白してしまったのだ。

 彼は真っ先に質問された。

 「トノマとはいったい何なんだ! 教えてくれ!」

 「確かに殺人集団の首領だけど、トノマなんてしらねーよ!」

 「じゃあ、なんでいつも現場にトノマって残ってるんだよ」

 「逆逆! それは、マノトって読むの!」

 刑事達は顔を見合わせた。

 「俺の名前は元締め真乃斗(マノト)。よろしくな!」

(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)

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