2015年08月18日
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感想・映画「馬鹿まるだし」

Written By: トーノZERO連絡先

「これは面白い。面白いのだが、東宝クレージー映画とは面白さの質が違う。それもまた面白い」

「それでいいの?」

「この映画も好きだぞ。愉快なのは同じ。愉快の質が違うだけだ」

「他には?」

「こち亀の原形を見た。煙突に上がる男、煙突に垂れ幕、そして大原所長似の警官もいる。旅回りの一座も出てくる」

「それだけ?」

「いやいや。さすが松竹映画。渥美清も出てくる」

「他には?」

「実は最後に植木等が出てくるのだがね。ずっとナレーションをしていて最後に本人が登場。しかし、東宝クレージー映画の破綻した無責任男のイメージではなく、ただの常識人として出てくる。本人はただの常識人だったらしいので、全ては演技の幅。これも面白いねえ」

「面白いことだらけなのだね」

「いちいち看板の横書きが逆なのは、終戦直後の表現だと思うのだが、あれは撮影当時ですら過去であり、全部セットなのだろうと思う。少なくとも看板は掛け替えているのだろう。たぶん」

「そうか。撮影当時ですら過去なのか」

「それから最後に1つだけ。東宝クレージー映画だと植木等が最も目立つが、こういう映画だとハナ肇が主役の方が引き立つね」