「このシーンは劇場で見た時は爽快感があって良いと思ったのだがね」
「それで?」
「今見ると、イマイチというカットもある。うめえ、と思わず言いたくなるかっともあるけどね」
「どのへんがイマイチ?」
「たとえばさ。これって普通の基地攻略が突然閉鎖空間の戦闘に化けて、最後には巨大空母対ヤマト戦に化けるという二重のフェイクで構成されたアイデアシーンなんだけどね」
「うん」
「それを上手く生かし切れているとは言いがたい。ガラス状のシールドで覆われたって、割ればいいじゃんという感覚にしかならないし、巨大な覆いを開閉する仕掛けも分かりにくい。そして、相手の形状を的確に描いたカットが少ない」
「なるほど」
「それから敵の反撃が少なすぎる」
「作画の手間が掛かるからね」
「最も良くないのは、この先の展開に全く関係が無い。ここで、これだけ敵を撃破してもそのあと大量の敵と遭遇するだけ。ここで減らした意味がほとんど無い」
「何が問題なのだと思う?」
「シナリオがツギハギで、全体が一貫していないからだろう」