「これはいいな。これまで4巻がいちんばん好きだったけれど、それに匹敵する好印象」
「ふーん。それでどこが良いの?」
「良いところはたくさんあるのだが、最も良いのは終わり方だな。そうか、ここで切るのかと感心した」
「なでなで?」
「実は物語的に、なでなでで構造がひっくり返る。それまでは、刀太がキティに追いついて引き上げてもらう形だったのだが、この瞬間から刀太がキティを救う側に立ってしまう」
「【なでなで】とは、刀太がキティを救う最初の1歩ということだね」
「そうだ。そしてそこから先は次の巻だ」
その他 §
- 扉絵は1枚1枚いいしね。刀太を倒す強敵達も1人1人みんな良い
- 魔族は龍宮さんからの受け売りを話すし
- ばったり雪姫と出会う刀太は、キティの物語に続く導入部。雪姫からキティになめらかにつないでいく。ダーナとの関係もここで示されている
「全般的にこの8巻はこの1冊が1つの物語になるように、非常に緻密に作られている。連載時点で既に完成された状態で描かれている。見事なものだ」
「前半部のさりげない描写や台詞が後半部の展開を暗示しているわけだね」
「実に見事な構成だ」