2015年09月17日
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三百字小説『マドレーヌの月旅行』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 マドレーヌは高カロリーのお菓子が大好きだった。その結果、カロリー過多で太る一方だった。ついたあだ名がカロリーヌだ。

 ある日、マドレーヌはお菓子の懸賞で月旅行に当選した。

 旅行会社はマドレーヌの体重を聞いて戦慄したが、お菓子メーカーはお菓子の大量消費者のマドレーヌを是非とも旅行に招待したかったのだ。

 そこで、必死にロケットを改良した。あと1kgでも重ければ飛べないところだ。

 宇宙旅行中に更に体重が増える気遣いはなかった。ロケットにお菓子は載せないからだ。

 月に降り立ったマドレーヌの目に入ったのは、月面で餅をついているウサギ達の姿だった。

 満腹でご満悦のマドレーヌを乗せたロケットは月面からの離陸に失敗した。

(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)

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