マドレーヌは高カロリーのお菓子が大好きだった。その結果、カロリー過多で太る一方だった。ついたあだ名がカロリーヌだ。
ある日、マドレーヌはお菓子の懸賞で月旅行に当選した。
旅行会社はマドレーヌの体重を聞いて戦慄したが、お菓子メーカーはお菓子の大量消費者のマドレーヌを是非とも旅行に招待したかったのだ。
そこで、必死にロケットを改良した。あと1kgでも重ければ飛べないところだ。
宇宙旅行中に更に体重が増える気遣いはなかった。ロケットにお菓子は載せないからだ。
月に降り立ったマドレーヌの目に入ったのは、月面で餅をついているウサギ達の姿だった。
満腹でご満悦のマドレーヌを乗せたロケットは月面からの離陸に失敗した。
(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)