「バードマンを見て自分の映画の趣味が良く分かったよ。こういう映画が好きなんだよ。そこに存在しないはずの幻が見えてしまう映画だ」
「ヤマトもそうだってことだね」
「そうだ。相原は宇宙遊泳で地球を見て、古代はオレンジの人たちを第1艦橋に見て、サーシャ達は死んだスターシャを見る」
「なるほど」
「そういう意味で明解なのは、なぜギャラクティカを気に入ったのかだが、あれはバルターが存在しない女性を見続けるのだよ」
「な、なるほど……」
「復活篇の少し後で上映されたナインという映画もそうだった。存在しないはずのものが見える。あれも好き」
「なるほど」
「でも、同時期のシャッターアイランドは違う。映像は嘘を付かない。ねつ造された記憶が少し出てくるだけで、位置づけが少し違う」
「ならばヤマト2199の第14話も好きなのかい?」
「あれは、存在しないはずのものが見えているのとは少し違う気がする」
「精神世界の出来事ってことだね」
オマケ §
「で、なんでそれがいいの?」
「それは表現なのだ。表現は解釈することで、意味を産み出す。結論に到達するためにワンクッションが多いのだ」
「それに意味があるの?」
「ああそうだ。そのワンクッションが解釈の多様さを産み出す。そこがポイント」