2015年11月30日
川俣晶の縁側ソフトウェア技術雑記 total 6963 count

HDD→SSDのクローン問題と、いかにしてWin10のスタートメニューが壊れて復旧したのかの顛末

Written By: 川俣 晶連絡先

「ここ1週間ぐらいに起きた問題を簡単にまとめよう」

「何が起きたんだい?」

「主に以下の2つだ」

  • Windows 10のスタートメニューが壊れて開かなくなった
  • HDDからSSDへのクローニングが上手くできなかった

「この2つ、何がどう関係するのか分からないな」

「順番に説明しよう」

「そうしてくれ」

「まず最近HDDをSSDに換装した。その際、EaseUS Todo BackupでHDDからSSDへのクローンを作成した」

「うん」

「紆余曲折あったが、クローンに成功し、SSD運用に入った」

「問題無いじゃないか」

「話はここから」

「なんだい?」

「そこでスタートメニューが開かなくなった。サインインし直すと修復を試みる旨のメッセージが出たが、サインアウトしても再起動してもダメ」

「復元ポイントに戻せよ」

「それがダメなんだ。どうもクローニングした時点で復元ポイントの機能がオフになっていたようだ。戻すべきポイントが記録されていなかった。しかも、以前のビルドにロールバックする機能もなぜかエラーで落ちてしまい動作しない」

「なんてこった」

「そこで気づいた。直前の環境はまだ取り外したHDDに残っている。これを再クローンすればスタートメニューが生きている環境が手に入る」

「それで、もう一度クローンしたんだね?」

「そうだ。ところが上手く行かない。SSDで立ち上がる環境が手に入らない。しかも、1回クローンすると5時間以上掛かった」

「なんでそんなに長いの?」

「1TBのドライブだからさ」

「な、なるほど……」

「しかも、自分が【ドライブロスト】と呼ぶ現象まで発生した。これは稼働中にシステムがドライブを見失う問題で、未解決。Win10でしか出ていないが、ハードの問題かソフトの問題か分かっていない」

「回避策はないの?」

EaseUS Todo BackupではCD-Rに起動ディスクを焼ける。これでLinuxの起動ディスクを作成して、ドライブCをクローンして起動ドライブをクローンして、ドライブのクローンは完了した」

「教訓は?」

「やはり稼働中のドライブのクローンは可能なら避けた方が良いのだろう」

「それから?」

「修復ディスク(WindowsRE)でブートして、起動環境を修復。これで立ち上がるようになった」

「これでめでたしめでたしだね」

「いいや。実はクローン元のHDDの環境で既にスタートメニューが壊れていた。エラーメッセージが出ないでただスタートメニューが開かない状態だった。SSDにクローンしても同じ。これでは使いものにならないので、これを修復することにした」

「方法は?」

「Windows 10のセットアップディスクを作成して、同じバージョンに対してアップグレードインストール。これでスタートメニューは復活した」

「それで終わり?」

「とんでもない。まだスタートメニューが壊れるかもしれない。復元ポイントの機能をオンにしたよ」

ADの問題 §

「それで無事に完了?」

「いや。Active Directoryのドメインコントローラが同じマシンだと承認してくれないので、マシンアカウントを登録し直した。一時は名前を変えたが、それではTFSが上手く動作しなかったので、マシンアカウントを削除した上で再登録して同じ名前でドメインに参加させた」

「ここで現状?」

「おおむねそうだ」

感想 §

「解決策に辿り着くまで約1週間掛かり、その間仕事が止まってしまった。かなりやばいスケジュール状況だ」

「どう思う?」

「Windows 10の1151はかなり危うい感じだ。正直、もうちょっと様子を見た方が良いと思う」

「ビルドを戻さないの?」

「今のところ戻さない」

「なぜ?」

「ドッグフードを食べる係だからだ」

残された問題 §

「ドライブが消えてしまう【ドライブロスト】の問題は未解決なので、何とか解決したい。しかし、症状が謎なのだ」

「どう謎なの?」

「HDDもSSDもロストしたことがあるのだが、システムドライブと光学ドライブはロストしたことがない」

「どんなときのロストするの?」

「クローン中とバックアップ転送中だ」

「転送量が多いとき?」

「かもしれないが、まだ良く分かっていない」

「再現性は100%?」

「いや、バックアップの途中でロストすることもあるし、最後までバックアップが走る場合もある」

「何が違うの?」

「まだ不明だ」

「まだまだ果てしないトラブル対策の旅は続くよ!」