「まあ。はっきり言って期待しないで見た。何しろ、オール・ユー・ニード・イズ・キルとは英語としてなめらかとは言いがたい。アジア人が考えたような英語」
「それで中身はどうだった?」
「うん。面白かった。ループものってたいていたるいんだけどさ。たるさは最低限に収まっていて、終わってみれば問題を感じないレベル。UQ Holderもループものとしてはたるくなかったけど、映画としてはこっちも良かったと思う」
「ループものとして出来が良かった?」
「いや。映画として良かったよ」
「どこが良かった?」
「戦場から逃げ出そうとしていたひ弱な士官が、最後には立派な男になるところかな。あと、J小隊の愉快な仲間達」
「ふーん」
「それからさ、ラスボスの破壊が凄く静かに行われるのも良かったよ。結局J小隊が生き延びたこともね」
「本当に出来が良かったのか」
「その通り。昨日見たフォースの覚醒がかなり期待外れだったので、良い口直しになった」
「弱点はないの?」
「強いて言えば、このオール・ユー・ニード・イズ・キルというタイトルはかっこ悪い」