2016年02月18日
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三百字小説『木星電柱』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 その電柱は木星に立っていた。

 電柱である以上、電線がどこからか来て、どこかへとつながっていた。しかし、電柱は移動できないので、行き先を確認できなかった。

 行き先はたくさんある衛星だろうか。それとも別の惑星だろうか。あるいは小惑星だろうか。

 ある日、電柱は思い付いた。

 「雀さん雀さん、電線がどこにつながっているか見てきて下さい」

 「いいよ」

 雀はすぐに飛んでいった。

 雀はすぐ戻って来た。「分かったぞ。電線は変電所に繋がっていたぞ」

 「それはどこの星だい?」

 「さあ」

 「それを確かめてくれよ」

 「飽きたからやだ」

 雀は飛び去った。

(遠野秋彦・作 ©2016 TOHNO, Akihiko)

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