「テレビ放送されていたのでまた見たよ」
「それで?」
「2回目だと分かることが多い」
「たとえば?」
「この映画、大ざっぱに言えば白つまり白雪姫と見せかけて赤つまり赤毛のアンだという構造を持つ。つまり、白から赤へ」
「それで?」
「実は最初に出てくるのが白い服を着て赤い血で汚れた被害者」
「つまり、白から赤への変化が暗示されているわけだね」
「しかも、途中で人物紹介の途中で実にさりげなく赤毛のアンが好きという情報が挿入される。絶対に初見の人には印象に残らない。しかし、見る者に情報を与えている。上手い演出だ」
「つまりなに?」
「嘘を付かないで情報を与えつつ誤認させるのが物語作りの腕の見せ所だからな」
「そこが見事なのだね」