「最初は苦しかったけれど、見終わってみれば面白かったな」
「どこが苦しい?」
「キャラも独自設定も多すぎる」
「何が良かった?」
「軸になる人物が実は二人きりで、終わってみれば複雑な話でも無かった」
「他に気づいたことは?」
「この映画、実はオタク的な価値観を全否定している」
「それはなに?」
「ウルトラマンって素晴らしい……と疑問なく言えるオタク的な価値観に対して、ウルトラマン的なヒーローであるキャプテン・ソックスのヒーロー性は信じられていない。事実として、本気でヒーロー的な価値観を信奉する行為は痛いが、それはオタクとは相容れない」
「それって、まるでオタクとは痛い存在だと言っているみたいだぞ」
「みたいじゃなくて、そう言っている」