「はたと気付いたことがあるのだがね」
「それはなんだい?」
「シン・ゴジラはヤマト2199のリフレインになっているということ。しかし、これはエヴァンゲリオンにもCCさくらにもあった問題で、根は深い。だが、ヤマトガンダムの1970年代まで遡ると別に見えてこない問題だ」
「その問題とはなんだい?」
「表層的には、肯定派と否定派の分裂が著しいという特徴だ。肯定派激しく熱烈に凄さを語るのだが、否定派はそれが分からない。普通にそれほど面白いとは思っていない」
「それは何を意味するんだい?」
「実は、【それが世界である】という世界認識が著しく社会の中で乖離しつつあり、特定の社会認識に適合するように作られた映画は、立場を異にする者から見るとそもそも分からない映画になってしまう」
「シン・ゴジラを例にして分かりやすいように説明してくれ」
「やだ。あれはもう自分の中ではとっくに終わった過去だ」
「じゃあ、ヤマト2199を例に」
「やだ。あれはもう自分の中ではとっくに終わった過去だ」
「我が儘なんだから。一応ヤマトファン向けに語っているのだからヤマトで語れよ」
「仕方がないなあ。じゃあさ。思い出してくれ。徳川機関長を【子供が考えた可愛いお爺ちゃんそのものでリアルな老人ではない】と批判したことがあっただろう?」
「そんなことを言ったことがあったねえ」
「実はここに既に分裂の芽が含まれている」
「えっ? どこに?」
機関長1974 §
「光より速いタキオン粒子をうんたらかんたらぺらぺらぺらぺら」
「難しくてさっぱり分からない」
「分かったかな?」
「煙に巻かれた。これが老人か。さすが食えない」
「ついでに良さそうな話もしてやるぞ。万が一つの可能性に掛けるそれが男だ」
「なんかいい加減なことしか言っていないのに重々しく言われると心に染み入る!」
機関長2199 §
「ぺらぺらぺらぺら」
「わしにはさっぱりワカラン」
「これで機関長だと? 馬鹿はつまみだせ」
「無能でも年功序列だけで機関長になれる。これが老人か」
「ではは会議を続けよう。もう一度説明してくれるかね、真田君新見君」
「ぺらぺらぺらぺら」
「それではワカラン。もっと分かりやすく」
「ぺらぺらぺらぺら」
「人に説明をさせたくせに本人はもう寝てる。そこの沖田艦長もつまみだせ」
まとめ §
「これが何の説明になっているのか、わしにはさっぱりワカラン」
「説明になっていないかも」
「ダメじゃん」