「これは面白いな。確かに良く出来てる」
「どれぐらい面白い?」
「途中で眠くなってない。他のこともしないでずっと画面を見ていた」
「どこが良かった?」
「夢のような理想の街は存在しない。主人公は徹底的に挫折する」
「それは、挫折する物語を受け付けない人が多いオタク層には致命的に合性が悪いのでは?」
「そうかもね。要するに現実を突きつける映画だからな」
「喋る動物が出てくるあり得ない映画なのに?」
「そうさ。辛辣な現実は時としてあり得ないファンタジーを経由してしか語り得ない」
オマケ §
「しかし、1つだけ分かった。ルドルフとイッパイアッテナは、ズートピアを意識している」
「どのへんが?」
「物語が一回りすると最初に提示した主題を回収するが、その際役割がシフトする」
「いっぱいあってな、というキャラがイッパイアッテナからルドルフになるように、警官になる新人がウサギからキツネになるわけだね」
「そうだ。主題を回収して終わるが役割がシフトする作品はそれほど多いわけではない」
「で、それは正しいの?」
「さあ。スタッフ本人に聞いたわけではないから分からないよ」