「ガミラスファイター発進せよ」
「は?」
「ガミラスファイターとは何か」
「ガミラスの戦闘機だろ」
「ではガミラスの戦闘機全てがガミラスファイターと呼ばれているのだろうか」
「そうでもないような」
「実は、ガミラスファイターとは自国の名を冠したガミラスの切り札、ガミラス決戦機ではないのだろうか」
「大東亜決戦機的な?」
「そうだ」
「じゃあ、4式戦的な?」
「きっと、Type-4だ」
「じゃあ、正式名前は疾風?」
「疾風はないだろう。日本じゃないから」
「じゃあなんだ?」
「銀英伝の疾風ヴォルフはWorf der Strumらしいので、名前はStrumとか」
「シュトルムか」
「Type-4 Gamilas Figher 'Strum'ぐらいの感じではないかな」
Strum物語 §
第1空母に搭載されたStrum隊は、ゲットーの指揮でドメル艦隊に参加した。ヤマトの艦載機と互角に空戦できると期待されたStrumであったが、パイロットの大多数が経験不足の未熟兵であったため、ドメルはStrum隊をあくまで囮戦力として扱った。しかしながら、航法が未熟であるため、そもそもヤマトの戦闘機隊と接触できなかった機体や、空戦終了後の帰投時に機位を失って迷子になった機体も多く、一回の出撃で事実上Strum隊は壊滅した。計画時には機数でヤマトの艦載機隊を圧倒できるはずが同程度の機数になり、戦闘は優位に進められなかった。また、本来なら雷撃機、急降下爆撃機に随伴して行動し、航法に問題があればそれらに付いていくだけで母艦に帰投できるはずであったが、作戦の都合上雷撃機、急降下爆撃機は瞬間物質移送機で直接ヤマトに送られて戦闘機隊とは同行していなかった。
Strum隊の壊滅により、ガミラス本星の防空能力は著しく低下し、ガミラス本星へのヤマト接近時にヤマトとの接触に成功したのはミサイルの誘導を行った電子偵察機のみであり、他の部隊は接触に失敗するかあるいはそもそも航空隊を間に合うように発進できなかった。その結果、航空迎撃戦は結局行われなかった。
「という話を考えたがどうだ?」
「2199世代の皆さん、既に2199に脳内がアップデートされてしまった皆さんには通じないと思います」