2016年09月29日
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三百字小説『イレブン・ブレインズ』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 人類が抱える全ての課題に答えを出すために、世界最高峰の頭脳が11人集結した。

 各分野の最高の天才が、人種国籍の壁を越えて集まったのだ。

 これであらゆる国家間の問題は解決できると期待された。

 しかし、11人はすぐに血みどろの死闘を始めた。自分よりも賢いかも知れない人物がいることには耐えられなかったのだ。

 死者が何人も出た。

 司会者が会議場に入ると、不思議なことに死者が出たはずなのに11人いる。

 「なぜ人数が揃っているのですか」

 「死んだ者の代役にロボットを作りました。ロボットは天才ではありませんが、人数合わせなので問題はありません」

 「死者は11人でしたよ」

 彼らは「俺がいちばん賢いロボットだ」と死闘を始た。

(遠野秋彦・作 ©2016 TOHNO, Akihiko)

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