「疲れて寝てしまったんだ」
「えー」
「ところが、最後やっと目が覚めて見ていたのだが、死ぬほどおもしれえ」
「どこから見たの?」
「あらすじは事前に把握していた。見たのは、家政婦が主人公に何か囁いて死なせようとするところあたりから」
「どこが面白かった?」
「いやもう全部」
「何か追加で言うことは?」
「これ1940年の映画。日本的に言えば昭和15年。皇紀2600年。つまり昭和16年の対米開戦前。いわゆる戦前にあたる」
「古いな」
「そんな時代に、こんな凄い映画をアメリカでは作っていた」
「時代以外に何か気づいたことは?」
「これで、起承転転だな。最後まで転がり続けてスパッと終わる。落語に近い構成」
「それも重要か」