2016年11月30日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマト total 1495 count

続・ヤマト1974第2話の戦艦大和目撃シーンを再検討する

Written By: トーノZERO連絡先

「戦艦大和出撃前の状況に関して以下のような文書があると教えて頂いた」

「さて、何が分かったんだい?」

「うむ。少し予想外の話になってきた」

  • 大和は、呉から移動させて隠す必要があった。実際に米軍は一時大和の所在を見失ったらしい
  • 呉、広島等には大量の機雷が撒かれ、安全に航行できる海面ではなくなっていた。1945/3/30~4/3頃
  • 下関海峡にも機雷が撒かれていて、既に日本海側に抜けることは無理であった1945/3/27~3/30頃
  • 大和は三田尻沖に移動していた
  • 大和は、瀬戸内海で沈むか、豊後水道経由で太平洋側に出る以外の選択肢は事実上なかった

「つまりなんだい?」

「戦艦大和は非常に下らない理由で日本人が自主的に特攻を行うと決めて出撃したと思われていたが、どうもそういうことではないようだ。今出撃させないと永遠に活躍の場を失いかねないので、まだ使えるうちに使うことを強制された、という感じだろう」

「つまりなんだい?」

「将棋で言うと、既に積むまでの経路が見えている状態で、【ありません】と言って投了するしかない状態」

「つまり、僅かな勝機に賭けて自ら飛車を敵に取らせたのではなく、一手でも長く王が生き残るためには飛車を差し出すしかなかった状況なのだね」

「そうだ」

「じゃあ、この話は宇宙戦艦ヤマト的に言うとどうなんだ?」

「宇宙戦艦ヤマトは、戦艦大和の悲劇の理由は【空を飛べなかったことだ】と言い切った。ではもしも戦艦大和に飛行能力があったらどうだろうか」

「あっ。機雷封鎖を突破できる。下関海峡に機雷があっても関係無い。というか、空を飛べるならそもそも下関海峡通らないで日本海に出られる」

「日本アルプスの雪の中にだって隠せるぞ」

「そうか。【空を飛べない】という理由の指摘はここまで来ると間違ってないわけだね?」

「まあ、実際に大和が飛ぶのかと言えば、ほとんど無理だけどな。重すぎる」

「ぎゃふん」

「でも、【もしも飛べたら】という仮定を置けば、確かに未来は変わる」

問題は気象 §

「残った問題は気象だけだ」

「それで?」

「アジア歴史史料センターのデータベースに【第二水雷戦隊戦時日誌及び戦闘詳報】があったので調べてみた。その結果、4月5日の気象は6時曇り、12時曇り、18時半晴ということであった。視界は770メートルぐらい」

「770メートルとはどんな感じ?」

「以下のページによると、1キロを切ると霧らしい」

「では、大和出撃時は霧で確定?」

「いや、この日誌を見るといつも視界は770メートルぐらい。晴れていても770メートルぐらい。基準が違うのかもしれない」

「えー」

「まあ、宇宙戦艦ヤマトはフィクションだから気象が嘘でも良いのだけどね」

オマケ §

「他にもいくつか課題が浮上した」

「どんな課題?」

「日誌を見ると天一號作戦は、4月6日15時頃ではなく、4月5日13時頃から始まっていることになっている。そして大和出撃は4月6日⒖時30分」

「20分ではなくて?」

「そう。30分という表記になっていた」

「他にも何かあるわけ?」

「戦闘詳報だと6日15時20分三田尻沖出撃、という表記になっていた」

「こっちは20分だね。でも徳山沖ではなく三田尻沖?」

「そうだ。いろいろ情報が錯綜している。大和研究家の皆さんはこういう情報を見ているのだろう」

感想 §

「やはり戦闘詳報見ないとダメだね。ネットの情報なんかいくら検索してもいい加減なものが多いから」

「戦闘詳報見たらバッチリなにもかもクリア?」

「いやいや。クリアにならないことが分かる」

「ぎゃふん」

「1つに確定しているかのように綺麗事を書いているネットの記事はしょせん綺麗事だよ。史料批判がきちんとできているなら別だけど」

宇宙戦艦ヤマト

同人小説(PDF形式、無料ダウンロード可能) §

小説推理サイボーグシリーズ (PDF形式、無料ダウンロード可能) §