2016年12月22日
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三百字小説『ぎりぎり政府』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 我が国の政府は支持率が低下してぎりぎりの政権運営を余儀なくされていた。

 人々は、ぎりぎりで運営される政府と、ぎりぎりセーフという言葉を引っかけて、政権を「ぎりぎり政府」と呼んだ。

 ある日、大臣が起死回生の策を思い付いた。

 「露出度の高いぎりぎりまで露出した大胆制服を作るのです。そうすれば、【ぎりぎり制服】が流行語になって、【ぎりぎり政府】という悪名を上書きしてくれることでしょう」

 大臣の目論見通り、世間は【ぎりぎり制服】の話題一色となった。みんな、ぎりぎり政府という悪い言葉は忘れ去った。

 しかし、政権はすぐに倒れた。

 布地の面積があまりに少ない割に価格があまりにも高すぎると話題になったからだ。

(遠野秋彦・作 ©2016 TOHNO, Akihiko)

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