2017年03月30日
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三百字小説『未来少年避難』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 西暦3XXX年。

 全地球的な巨大な津波が発生し、全ての地域に避難警報が発令された。

 「ちょっと待て。津波の高さは1000メートルだって? しかも、15分以内に到達? 避難場所無いよ」未来の少年は叫んだ。「そうだ、ここは未来だ。未来だから、どこにでも行けるドアとか、頭に付けて空を飛べる竹とんぼとか、便利な道具があるだろ」

 「あるよ」と猫型ロボットが答えた。「全部充電されてないからすぐ使えないけど」

 「じゃあ充電してよ」

 「1時間待って」

 「間に合わないよ! 大口叩く割に使えないよ君」

 そして津波が来たが、未来少年は助かった。なぜかって? 猫型ロボットの大口の中に入って津波をやり過ごしたからさ。

(遠野秋彦・作 ©2017 TOHNO, Akihiko)

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