「これは面白い」
「どこが面白かったの?」
「実は一粒で三度美味しい映画」
- 映画として普通に面白い
- 鉄道映画として破格。蒸気機関車を生き生きと描いているという意味では日本一かも知れない
- 軍隊映画としても非常に良く出来ている
「特筆すべきところはなに?」
「ラストの別れは凄く悲しい。指導された若者は戦地に向かう。でも、これは昭和16年の映画。つまり、太平洋戦争が始まる前の映画」
「敗戦を受けて作られた映画ではないってことだね」
「そう。戦前の日本はそれだけ思想的にも豊かであったということだ」
「つまりなんだい?」
「戦前の日本を理想とする人たちが言っている戦前は嘘っぱちだってことだ。彼らが脳内で作ったオレ戦前という設定に過ぎない。ホンモノの昭和16年はここにある」