Written By: トーノZERO
「実は気づいたのだが。相原の前に狂っていた人がいる。彼が狂っていなければ相原も大丈夫だったかも知れない」
「誰だよ」
「相原の父。通信画面の相原をそこにいるかのように錯覚した死に際」
「えー」
「それを契機に相原は狂った。死んだ父親の狂気を引き継いだのだ。距離が消し飛んですぐ帰れるように錯覚した。だから宇宙遊泳で地球に戻る幻を見る。距離の喪失は父の病理そのもの」