「上北沢交差点から北に向かう鎌倉街道。玉川上水から神田川にかけてくねくね曲がっている」
「地図で見ると良く分かるね」
「でも、昔は少し違った。古い地図を見ると少しカクカクしている」
「道路が改修されているわけだね」
「そうだ。では原形の道路はどこをどう進んでいたのか」
「それは重要?」
「古下高井戸川の水源を想定する際、道はできるだけ川と水源を避けていただろう……と想定できるので重要」
「な、なるほど。道より水なのね」
「しかし、ある日気づいた」
「なんだい?」
「このあたり、建物の向きが道路に対して直角になっていない箇所がある」
「えー」
「これ、もしかしたら原形道路に対して土地を切って売った結果として、変な向きの建物が残っているのではないだろうか」
「不自然な道といい、原形道路の推定の材料はいろいろ残っているわけだね」