「なぜ見たの?」
「6月1日は割り引きの日だったから」
「それだけかい」
「宇宙からのメッセージは好きだったし」
「メッセージ違いだ」
「見た感じ、地味すぎてイマイチ感があった」
「せっかく映画館で見たのに?」
「最近多いよ」
「で、実際の感想は?」
「スペース1999の【宇宙船団大戦争】にかなり近いコンセプトだが、スペース1999の方が上手かったというのが感想」
「両者が似ている要素はなんだい?」
「ファーストコンタクトが疑心暗鬼で戦争に発展するところや、未来が見えるところ。それから最後に宇宙船が消えてしまうところ」
「似ていないところは?」
「未来が見えてしまう特殊能力の有無」
「結局、何がどう違うんだい?」
「スペース1999では【このまま進むとこんな未来が来るよ】という虚構の未来を見せて歴史を変えさせる。しかし、この映画の場合は本物の未来を見て現在の境遇を変えさせる」
「つまり?」
「この映画の方が設定に無理が多い。そもそも未来が見えてしまい未来が確定しているとしたら努力する意味なんてない」
「スペース1999の方はあくまで可能性としての未来を見るだけなので、確定した未来を見るわけではないのだね」
「だから、スペース1999の場合未来は選べる。この映画は未来を選べない」
「じゃあその他にこの映画の感想は?」
「異星人との意思疎通がとんとん拍子に進みすぎるのが、ちょっと拍子抜け。逆に、地道に意思疎通を図ろうとする描写が退屈」
「現実は退屈じゃないの?」
「それも一理あるが、映画はそこを上手く飛ばしてテンポ良く見せないと。客が寝ちゃったら意味が無い」
「結局何が問題なんだい?」
「突飛な設定は1つが原則。複数入れると話が混乱する。この映画の場合、異星人と未来が見える特殊能力の両方が出てきて、かなり話が混乱した感じだ」