2017年07月20日
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三百字小説『家畜の大進撃』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 家畜は考えた。

 実は人間達って油断してる分だけ弱くないか?

 そこで試しに家畜は人間に電話を掛けてみた。

 「俺俺、実は罠にはまって大変なんだ。助けに来てくれよ」

 家畜は人間がいなくなった隙に農場を逃げ出した。

 「はっはっは。やっぱり人間なんてちょろいぜ。俺は自由だ!」

 だが家畜の前には、家畜を追い返そうとした人間達が並んでいた。

 家畜は叫んだ。

 「私、健康ランド誘致派の人たちがこっそり接待してるの知ってます。しかも税金で」

 すると人間達は互いに争いを始めた。

 家畜は悠々とその横を通過した。

 家畜の前に、警官隊がいたが負ける気はしなかった。

 家畜の大進撃は破竹の大進撃となった。

(遠野秋彦・作 ©2017 TOHNO, Akihiko)

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