2017年11月07日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記 total 1767 count

戦前の大衆食、ねぎま=葱鮪鍋のまとめ

Written By: 川俣 晶連絡先

「図書館で見た【台所に敗戦はなかった】に【ねぎま】という項目があって何だと思ったら焼き鳥の【ねぎま】の前に、【葱鮪鍋】が存在してそれが【ねぎま】と呼ばれていたのね」

「脱線してまた変なものに興味を持つ」

「そのあとで調べた分も含めて、簡単にまとめる」

  • もともと【ねぎま】とは【葱鮪鍋】のことである
  • 葱鮪鍋とは、その名の通りネギとマグロで食べる鍋である
  • スキヤキのようなものを当時安かったマグロで行う大衆料理だったらしい
  • 戦後早い時期でも既に知らない人が多いすたれた料理だったらしい
  • 冷蔵技術の向上で、特にトロの保管技術が良くなって捨て値で売る部位から高級部位になったため、マグロが安くなくなってすたれたのではないか
  • 今でも、食べさせる店はあるし、クックパッドなどにレシピも見つかる
  • 類似品に【葱鮪汁】も存在する
  • 【ねぎま】=【葱鮪鍋】の当時としての一般性を論証する証拠として、【ねぎまの殿様】という落語の存在があげられる
  • 【ねぎまの殿様】のあらすじはほぼ【目黒のさんま】である。ただし季節(冬と秋)と舞台(本郷~上野広小路と目黒)と料理が異なる

感想 §

「というわけで、本当は代用コーヒーを調べていたはずが、かつて魔法先生ネギま!というコミックを読んだことがあるので、【ねぎま】というキーワードに心引かれてちらっと見たら戦前の食生活が垣間見えて、しかも話が落語にまで飛んで行ってしまった。驚きだ」

「そもそも、代用コーヒーへの興味も紅梅キャラメルから東京ユニオンKKを経由してパンの戦後史に行ってそこに隣接していたからだね」

「そうだな。壮大な連鎖だが、結局、谷中伊勢元で小ゑん師匠の落語を聞いた翌日にまた話題が落語に戻るとは壮大なループだ」

「しかも、谷中と本郷では目と鼻の先だね」

下高井戸周辺史雑記