「ガイラー総統登場」
「ガイラー要塞のガイラー総統だね」
「敵の真の大ボスとは共感と共通理解に達するが和解するわけではない、というのはコミック版ハーロックの結末でもあるし、映画わが青春のアルカディアの結末でもある。それと同じことが大ヤマト零号でも起こった」
「でも、ちょっと違うよね」
「そう。コミック版ハーロックと映画わが青春のアルカディアでは敵は一体であった。愚劣な敵と高潔な敵は一体であった。しかし、大ヤマト零号では分離している」
「で、君はガイラー総統をどう思う?」
「ある種の理想的なデスラーなのだろう……と思った」
「その心は?」
「助けてくれるが味方ではない」
「では、ガイラー総統が敵の一部だけを引き受けてくれる展開はどう思う?」
「あれは良いと思うぞ。そもそも、どう考えても七千艦隊が勝てない相手が複数出てきて大ヤマト零号が勝てるわけがない。大ヤマト零号が未来の可能性と引き換えにガイラーの好意を買えたのは本当に運が良い」
「ところで、大ヤマト零号とまほろばの合体はいいのか?」
「物語を終わらせるための象徴的な展開として、それはいいんじゃないか?」