2018年07月28日
川俣晶の縁側物欲博物録 total 1837 count

studio1780 CF-1780の思い出

Written By: 川俣 晶連絡先

CF-1780

「このラジカセをオークションに出品した機会に思い出を記録しておこう」

「これはどんな機種?」

「うちに来た最初のラジカセだ」

「いつ頃?」

「ネットの情報によると昭和49年4月21日発売、当時の定価 37,800円ということらしい。つまり、昭和49年(1974年)ということになる」

「翌年ということはないの?」

「それはない。なぜなら1974年に宇宙戦艦ヤマトを録音しているからだ」

「具体的には?」

「少なくとも、1974年12月22日放送の【絶体絶命!!オリオンの願い星、地獄星】の一部が録音されていることは確認している」

「なるほど。ではラジカセの話を語ってくれ」

「電池駆動は可能だが、電池で使った記憶はほとんど無い」

「なぜ?」

「単1が4本というのは持ち運べる重さではないからだろうな」

「なるほど……」

「マイクから声や音も録音したが、録音のメインはテレビからの録音だった」

「どうやってつないだの?」

「最初はテレビのスピーカーとラジカセの内蔵マイクだったが、すぐにライン接続ケーブルでテレビのイヤホンジャックからラジカセのライン入力に接続した。これで話し声などのノイズは入らない」

「抵抗入りケーブルでマイクジャックじゃないの?」

「ライン入力使った方がスマートさ」

「それで?」

「次は外付けマイク」

「歌ったの?」

「いや。マイクのスイッチでポーズと解除ができた。テレビ録音時のスタートストップ、つまりCMカットに使った」

「マイク意味ねえ!」

「これでスタートストップさせると回転が始まったり止まったりする関係でそこがひよひよと変な音になった」

「えー」

「その音はデジタル化して保存してある」

「当時のテレビ録音で何か思い出がある?」

「新八犬伝の最終回の一部が残っていてねえ。はたまた犬の惑星か、という坂本九のナレーションの声も残っている」

「他の機能の話をしてよ」

「ミキシング機能は最初理解できず、使いこなすのが大変だった」

「それから?」

「ワイヤレスマイクの機能があるが中間周波を上手く使った回路で確か送信周波数はダイヤル値と10MHzぐらい離れていたはず」

「FMに何か思い出がある?」

「これ、少し上の周波数まで受信できたのでテレビの1~3チャンネルまで受信できたt思う。4チャンネル~も受信したいなという夢は後年自分で買ったラジカセで叶った。テレビチューナー付きダブルラジカセ」

「でももうアナログ停波だから意味ねえ!」

「もう意味ないね」

「SWの思い出は?」

「BCLの真似事をしたなあ。ラジオ短波、JJYはもちろん、BBCの日本語放送も聞いたことがある。あ、もちろん7MHzあたりのモガモガもね」

「AMは?」

「オールナイトニッポンの宇宙戦艦ヤマトが録音したくてね。友達と手分けして頑張って録音した記憶がある。あ、NHKラジオの英語講座も聞いたな。基礎英語とか続基礎英語とか」

「他に何か思い出は?」

「実はこれイジェクトを押すとカセットテープのホルダーが取れてしまうのだけど、これは弟のせい」

「弟が何をした」

「イジェクトボタンを押しても下に行かず途中で止まる仕組みが不思議だったのかいつもぎゅうぎゅう押していたら最終的に取れてしまった」

「テープ再生不能になった?」

「いや。はめ込めば再生できたが、当時すでにおじいちゃんラジカセだったからな。他にも家にラジカセがあったし。出番は減りつつあったよ」

「まとめるとどうなる?」

「いろいろな興味を最低限叶えてくれたタフなマシンかな。テレビ録音、ラジオ録音、生録音、ダビング、編集、BCLの真似事、電波送信の経験、いろいろ」

「良い機種だった?」

「今からでも活きの良い新品が買えるなら1つあってもいいぐらいだな。まあさすがに今の目で見ると機能的に厳しい点がいくつもあるが」

「やっぱりステレオダブルラジカセの方がいい?」

「不満を言いだしたらPCでいいよ。PCで。いいアンプとスピーカーが付いていたらPCの方がいい」

「ぎゃふん」